学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ E. 胎児循環 / Q0172

理由で解く 解剖学

Q0172 循環器系

出典:あマ指 第23回(2015) 問題21
問題
胎児循環で肝鎌状間膜内を通るのはどれか。
選択肢
1 肝静脈
2 臍静脈
3 静脈管
4 門 脈
解答
正解2(臍静脈)
解説
✗ 1.
肝静脈
肝静脈は肝実質の血液を集めて下大静脈に直接注ぐ太い静脈で、肝臓後面(下大静脈溝付近)を走行する。肝鎌状間膜内を通る構造ではない。
✓ 2. 正しい
臍静脈
胎児の臍静脈は、臍から腹壁を通り抜けて肝下面へ向かう途中、肝鎌状間膜(肝鎌状靭帯)の遊離縁内を走行する。肝鎌状間膜は腹壁前面から肝臓上面にかけて矢状方向に張る腹膜のひだで、その下縁(遊離縁)に臍静脈が埋め込まれている。出生後は臍静脈が閉塞して肝円索となるが、肝円索は引き続き肝鎌状間膜の遊離縁内を通る。
✗ 3.
静脈管
静脈管(アランチウス管)は臍静脈から分かれて下大静脈に注ぐバイパスで、肝臓の実質内(肝内)を貫いて走る。肝鎌状間膜の遊離縁ではなく、肝実質内の経路で下大静脈に向かうため、肝鎌状間膜内は通らない。
✗ 4.
門 脈
門脈は消化管と脾臓の静脈血を集めて肝門から肝臓に入る成人でも存在する血管で、小網の肝十二指腸間膜内を走行する。肝鎌状間膜内を通る構造ではない。
ポイント
  • 胎児期の臍静脈は肝鎌状間膜の遊離縁内を走行する。出生後は肝円索となるが、同じ膜内に位置する。
  • 覚え方のコツ: 「鎌状間膜=へその緒の道」。臍から肝へ一直線に通る膜と考えると臍静脈(→肝円索)のみが該当する。
  • 関連知識: 肝鎌状間膜は肝を左右に分ける(機能区分ではなく形態区分)腹膜のひだで、前方は前腹壁・後方は肝上面に張る。遊離縁に臍静脈/肝円索。
  • よくある間違い: 静脈管(肝内を通る)と臍静脈(肝鎌状間膜内)を混同する/肝円索を胎児構造と誤る。
  • 臨床応用: 門脈圧亢進症では臍静脈(肝円索)が再開通し、臍周囲静脈怒張(メデューサの頭)を呈する。腹腔鏡でのランドマークとしても重要。
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題21|胎児循環で肝鎌状間膜内を通るのはどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題21|胎児循環で肝鎌状間膜内を通るのはどれか。
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