学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0325

理由で解く 解剖学

Q0325 消化器系

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題20
問題
上行結腸にあるのはどれか。
選択肢
1 腸間膜
2 腸絨毛
3 腹膜垂
4 パイエル板
解答
正解3(腹膜垂)
解説
✗ 1. 誤り
腸間膜
上行結腸は後腹壁に癒着する腹膜後臓器であり、腸間膜を持たない。腸間膜を有する大腸は横行結腸(横行結腸間膜)とS状結腸(S状結腸間膜)のみで、上行結腸・下行結腸には腸間膜がない。
✗ 2. 誤り
腸絨毛
腸絨毛は小腸粘膜に密生する指状の突起で、大腸(上行結腸を含む結腸全域)には存在しない。大腸粘膜は平滑で、水分・電解質吸収の場として機能するが、絨毛による吸収面積拡大機構は持たない。
✓ 3. 正しい
腹膜垂
腹膜垂は大腸(盲腸・結腸)の漿膜表面に突出する脂肪組織を含む小突起で、上行結腸を含む結腸全域(直腸を除く)にみられる大腸の3大特徴の一つである。結腸ヒモ・膨起(ハウストラ)とともに大腸の肉眼的な識別点となる。上行結腸は腹膜後臓器で腸間膜を持たないが、前面と側面は腹膜(漿膜)に覆われ、そこから腹膜垂が垂れ下がる。したがって本肢が正解である。腹膜垂の捻転・虚血は急性腹症として腹膜垂炎を起こす。
✗ 4. 誤り
パイエル板
パイエル板(集合リンパ小節)は小腸粘膜固有層のリンパ組織集合体で、回腸下部に多く分布する。上行結腸を含む大腸には孤立リンパ小節のみで、パイエル板のような大きな集合体は形成されない。したがって上行結腸の構造として該当しない。
ポイント
  • 上行結腸には腹膜垂・結腸ヒモ・膨起という大腸3大特徴がみられ、腸間膜・腸絨毛・パイエル板は存在しない。
  • 覚え方のコツ: 上行結腸は腹膜後臓器(間膜なし)、大腸特徴(結腸ヒモ・膨起・腹膜垂)はあるがリンパ組織は孤立のみ・吸収面積は平滑粘膜と対応。
  • 関連知識: 大腸で腸間膜を持つのは横行結腸・S状結腸のみ。上行・下行結腸は腹膜後で、漿膜は前面・側面のみを覆う。
  • よくある間違い: 上行結腸に腸間膜があると誤認/結腸に腸絨毛があると誤解/パイエル板を大腸構造と混同。
  • 臨床応用: 腹膜垂炎は左下腹部(下行結腸・S状結腸)に多く、急性虫垂炎や憩室炎との鑑別が必要。上行結腸癌は進行するまで無症状のことが多く、便潜血や貧血で発見されることがある。
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題20|上行結腸にあるのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題20|上行結腸にあるのはどれか。
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