学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ A. 鼻腔・副鼻腔 / Q0213

理由で解く 解剖学

Q0213 呼吸器系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題23
問題
鼻腔について正しいのはどれか。
選択肢
1 キーゼルバッハ部位は鼻腔の外側壁にある。
2 鼻前庭は単層円柱上皮で覆われる。
3 蝶形骨洞は中鼻道に開口する。
4 嗅上皮は総鼻道の上部にある。
解答
正解4(嗅上皮は総鼻道の上部にある。)
解説
✗ 1. 誤り
キーゼルバッハ部位は鼻腔の外側壁にある。
キーゼルバッハ部位は鼻腔の「外側壁」ではなく、鼻中隔の前下部にある。毛細血管が集中し直下に軟骨があるため鼻出血の好発部位となる。外鼻孔に近い鼻中隔前端部という位置を正確に押さえる。
✗ 2. 誤り
鼻前庭は単層円柱上皮で覆われる。
鼻前庭は外鼻孔から奥2cmほどの部位で、「重層扁平上皮」(皮膚の続き)で覆われ、鼻毛が生えている。単層円柱上皮ではない。鼻腔のそれ以降は多列線毛上皮で覆われる呼吸部に移行する。
✗ 3. 誤り
蝶形骨洞は中鼻道に開口する。
蝶形骨洞は中鼻道ではなく、鼻腔の後上方にある「蝶篩陥凹」に開口する。4対の副鼻腔のうち、中鼻道(上顎洞・前頭洞・前&中篩骨蜂巣)・上鼻道(後篩骨蜂巣)・蝶篩陥凹(蝶形骨洞)の3系統に振り分けて覚える。
✓ 4. 正しい
嗅上皮は総鼻道の上部にある。
嗅上皮(嗅部)は鼻腔の天井部、すなわち上鼻甲介の上方から鼻中隔上部にかけての狭い領域を占める。この部位は鼻中隔と上鼻甲介の間にできる「総鼻道の上部」に相当する。嗅上皮は嗅細胞・支持細胞・基底細胞からなる特殊な感覚上皮で、嗅細胞の軸索(嗅神経線維)は篩骨篩板の小孔を貫いて嗅球に至り嗅覚情報を伝える。鼻腔の大部分を占める呼吸部(多列線毛上皮)とは組織学的にも機能的にも明確に区別される。風邪や頭部外傷で嗅神経が損傷されると嗅覚障害が生じる。
ポイント
  • 嗅上皮は鼻腔天井(総鼻道上部/上鼻甲介上方〜鼻中隔上部)にある特殊感覚上皮。
  • 覚え方のコツ: 「鼻は上に嗅ぐ」→嗅上皮は鼻腔の最上部、と位置を上向きの矢印で覚える。
  • 関連知識: 鼻腔は前方から「鼻前庭(重層扁平上皮)」「呼吸部(多列線毛上皮)」「嗅部(嗅上皮)」と3領域に区分される。
  • よくある間違い: 「キーゼルバッハ部位が鼻腔外側壁」「鼻前庭が円柱上皮」「蝶形骨洞が中鼻道」と、いずれも位置や上皮の取り違えで失点する頻出パターン。
  • 臨床応用: 嗅細胞の軸索は篩板を貫くため、交通外傷で篩板を骨折すると嗅神経が断裂し嗅覚脱失をきたす。COVID-19でも嗅上皮障害による嗅覚障害が問題となった。
比較表
鼻腔の領域 部位 上皮
鼻前庭 外鼻孔直後2cm 重層扁平上皮(皮膚、鼻毛あり)
呼吸部 鼻腔の大部分 多列線毛上皮
嗅部(嗅上皮) 鼻腔天井(上鼻甲介上方+鼻中隔上部) 嗅上皮(嗅細胞・支持細胞・基底細胞)
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題23|鼻腔について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題23|鼻腔について正しいのはどれか。
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