学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ A. 鼻腔・副鼻腔 / Q0214

理由で解く 解剖学

Q0214 呼吸器系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題26
問題
嗅上皮の存在部位はどれか。
選択肢
1 鼻腔天井
2 中鼻甲介
3 鼻前庭
4 キーゼルバッハ部位
解答
正解1(鼻腔天井)
解説
✓ 1. 正しい
鼻腔天井
嗅上皮は鼻腔の天井部(上壁)、具体的には上鼻甲介の上方から鼻中隔上部にかけての狭い領域に分布する。この部位は篩骨篩板の直下に位置し、嗅細胞の軸索(嗅神経)は篩板の小孔を貫いて嗅球に至る。嗅上皮は嗅細胞・支持細胞・基底細胞からなる特殊な感覚上皮で、大部分を占める呼吸部の多列線毛上皮とは組織学的に明確に区別される。吸気が鼻腔を通過する際、揮発性の匂い物質がここに到達して嗅覚受容が起こる。本選択肢の「鼻腔天井」は嗅部の位置を端的に示しており、正解となる。
✗ 2. 誤り
中鼻甲介
中鼻甲介は鼻腔外側壁から張り出すひさし状の構造で、その表面は呼吸部の多列線毛上皮でおおわれる。嗅上皮は上鼻甲介上方〜鼻中隔上部に限局しており、中鼻甲介には存在しない。
✗ 3. 誤り
鼻前庭
鼻前庭は外鼻孔から奥2cmほどの部位で、皮膚の続きである重層扁平上皮でおおわれ、鼻毛が生えている。空気の濾過には役立つが、嗅覚受容を担う嗅上皮はここにはない。
✗ 4. 誤り
キーゼルバッハ部位
キーゼルバッハ部位は鼻中隔の前下部にあり、毛細血管が密集する鼻出血の好発部位である。通常の呼吸部粘膜で覆われており、嗅上皮は存在しない。位置が鼻腔の前下部である点も嗅部(鼻腔上部)と対照的。
ポイント
  • 嗅上皮(嗅部)は鼻腔天井(上鼻甲介上方〜鼻中隔上部)に限局する特殊感覚上皮。
  • 覚え方のコツ: 「嗅ぐ(かぐ)のは上」→嗅上皮は鼻腔の一番上、キーゼルバッハは下、鼻前庭は入口、と位置を上下で整理。
  • 関連知識: 嗅上皮は嗅細胞・支持細胞・基底細胞の3種からなる。嗅細胞は唯一「体外の物質を直接感受する神経細胞」で、再生能力を持つ点でも特殊。
  • よくある間違い: 「嗅ぐのは鼻の入口(鼻前庭)」と直感で誤答する。鼻前庭は重層扁平上皮で鼻毛が生える濾過部であり感覚機能はない。
  • 臨床応用: 頭部外傷で篩板が骨折すると嗅神経線維が切断され嗅覚脱失を生じる。また感冒後嗅覚障害・COVID-19嗅覚障害は嗅上皮の炎症・変性による。
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題26|嗅上皮の存在部位はどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題26|嗅上皮の存在部位はどれか。
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