
この図の解説
図は受精後7〜9日目に進む着床と二層性胚盤の形成を段階で示す。まず7日目、胚盤胞が子宮内膜に接着する。8日目には外側を包む栄養膜の細胞が分泌するタンパク分解酵素によって子宮内膜(上皮・間質)が消化され、胚盤胞は内膜を溶かしながら埋もれていく。9日目には胚盤胞が子宮内膜内に完全に埋没し、内細胞塊が羊膜腔側の胚盤葉上層(エピブラスト)と胚盤胞腔側の胚盤葉下層(ハイポブラスト)の2層に分かれる。これが二層性胚盤である。図の下段では、栄養膜が内側の栄養膜細胞層と外側の栄養膜合胞体層に分かれる点、胚盤胞腔が卵黄嚢へ発達する点、上層側に羊膜と羊膜腔が生じる点を確認したい。溶かされた子宮内膜は第3週に胎児循環が確立するまで胚に栄養を与え、栄養膜から分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が黄体機能を維持する。
学習の要点
- 着床は受精後5〜7日に、透明帯が消失した胚盤胞が子宮内膜に付着・侵入して始まり、妊娠の始まりとなる。
- 覚え方のコツ: 「上=エピ(epi=上)」「下=ハイポ(hypo=下)」。二層性胚盤=上層(エピブラスト)+下層(ハイポブラスト)とセットで覚える。
- 関連知識: 胚盤胞は外側の栄養膜と内部の内細胞塊からなり、栄養膜は絨毛を出して絨毛膜(のちに胎盤)となり、内細胞塊が胎児本体(胚)となる。
- よくある間違い: 二層性胚盤は「外胚葉・内胚葉」ではない。外・中・内の三胚葉がそろうのは第3週で、第2週は上層・下層の二層にとどまる。
- 臨床応用: 栄養膜由来のhCGは妊娠黄体を維持し、妊娠検査薬が検出する指標となる。着床が卵管など子宮外で起こると子宮外妊娠となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
受精後9日ごろ、内細胞塊は羊膜腔側の( )と胚盤胞腔側の胚盤葉下層の2層に分かれ、二層性胚盤となる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 胚盤葉上層(エピブラスト)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。