学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0791

理由で解く 解剖学

Q0791 運動器系

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題17
問題
脊柱について正しいのはどれか。
選択肢
1 歯突起窩は軸椎にある。
2 胸椎の連結による弯曲は前弯である。
3 仙骨角は体表から触れる。
4 岬角は尾椎の前縁にある。
解答
正解3(仙骨角は体表から触れる。)
解説
✗ 1. 誤り
歯突起窩は軸椎にある。
歯突起窩は「環椎(C1)」の前弓内面にある小さな凹面で、軸椎(C2)の歯突起と対面して正中環軸関節を形成する。歯突起そのものは軸椎にあるが、その受け皿となる歯突起窩は環椎側の構造であり、混同しやすい。
✗ 2. 誤り
胸椎の連結による弯曲は前弯である。
胸部脊柱の生理的弯曲は「後弯」である。頸部と腰部の前弯(二次弯曲)に対し、胸部と仙骨部は後弯(一次弯曲、胎児期から残存)であり、脊柱全体は横から見てゆるいS字状を呈する。
✓ 3. 正しい
仙骨角は体表から触れる。
仙骨角は仙骨後面下端の仙骨裂孔の両側に突出する1対の隆起で、S5椎骨の下関節突起に相当する。殿裂の奥、仙骨裂孔の両脇で皮下に触知でき、仙骨硬膜外麻酔(仙骨ブロック)の際に仙骨裂孔を同定するランドマークとして臨床的に利用される。体表解剖でも重要で、尾骨の上方、殿裂の底部で指腹を押し当てると1対の硬い骨性隆起として触れる。
✗ 4. 誤り
岬角は尾椎の前縁にある。
岬角は第1仙椎の椎体上面の前縁が前方に突出した部分であり、仙骨底(仙骨の上端)の構造である。尾椎(尾骨)の前縁ではない。岬角は骨盤腔の分界線の一部を形成し、産科では胎児骨盤通過の評価に用いられる。
ポイント
  • 仙骨角はS5椎骨の下関節突起の痕で、仙骨裂孔の両側に体表から触知でき仙骨ブロックの指標となる。
  • 覚え方のコツ: 「歯突起(C2)の受け皿=歯突起窩はC1」と組で記憶。弯曲は「一次=胸・仙(後弯、胎児期から)」「二次=頸・腰(前弯、出生後形成)」。
  • 関連知識: 脊柱の弯曲は新生児では全て後弯(一次弯曲)、生後3ヶ月で頸椎前弯、1歳以降に歩行開始で腰椎前弯が形成される。仙骨底前縁の岬角は骨盤分界線の後正中、体表からは触知できない。
  • よくある間違い: 歯突起窩を軸椎の構造と誤る/胸椎の弯曲を前弯と誤る/岬角を尾骨の構造と混同する。
  • 臨床応用: 仙骨角を目印に仙骨裂孔から針を刺入する「仙骨硬膜外麻酔」は、小児の会陰・下腹部手術や成人の腰仙神経根ブロックに用いられる。岬角は産科的に胎児骨盤通過の評価指標となる。
比較表
体表から触れる椎骨性指標 位置 臨床的意義
隆椎(C7)の棘突起 項部最下部 椎骨番号同定の起点
肩甲骨下角 T7棘突起の高さ T7・T8の同定
ヤコビー線(両腸骨稜の最高点を結ぶ線) L4棘突起 腰椎穿刺部位の同定
仙骨角 殿裂の底、仙骨裂孔の両脇 仙骨ブロック穿刺点の指標
尾骨 殿裂の最下部 直腸診で触知可
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題17|脊柱について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題17|脊柱について正しいのはどれか。
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