学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0179

理由で解く 解剖学

Q0179 循環器系

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題26
問題
胸管について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腰リンパ本幹と腸リンパ本幹の合流により形成される。
2 横隔膜の大静脈孔を通過する。
3 左の内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部に注ぐ。
4 右上半身を除く全身のリンパを集める。
解答
正解2(横隔膜の大静脈孔を通過する。)
解説
✗ 1.
腰リンパ本幹と腸リンパ本幹の合流により形成される。
✗ 正しい。 (設問上は「正しい記述」であるため本選択肢は誤っていない。)下半身の骨盤・下肢のリンパは腰リンパ本幹、腸からの乳び管は腸リンパ本幹に集まり、両者が横隔膜の大動脈裂孔付近で合流して乳び槽を形成、ここから胸管が起こる。
✓ 2. 誤り
横隔膜の大静脈孔を通過する。
(胸管についての「誤った記述」を選ぶ問題なので、この選択肢が正答となる。)胸管は横隔膜の大動脈裂孔を通って胸腔に入る。大静脈孔(下大静脈孔)は腱中心にある開口で下大静脈と右横隔神経のみが通過し、胸管は通らない。大動脈裂孔は第12胸椎の高さで大動脈・胸管・奇静脈が、食道裂孔は食道と迷走神経が、それぞれ通過する位置関係と区別して覚えることが国試対策として必須である。
✗ 3.
左の内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部に注ぐ。
✗ 正しい。 (設問上は「正しい記述」であるため本選択肢は誤っていない。)胸管は脊柱の前を上行し胸郭上口を抜けて左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部(左静脈角)に注ぐ。付近で左頸リンパ本幹・左鎖骨下リンパ本幹も合流して静脈に還流する。
✗ 4.
右上半身を除く全身のリンパを集める。
✗ 正しい。 (設問上は「正しい記述」であるため本選択肢は誤っていない。)胸管は下半身全体と左上半身(頭頸部左側・左上肢・左胸郭)のリンパを集め、全身のリンパのおよそ3/4を担当する。右上半身のリンパのみ右リンパ本幹に集まり右静脈角に注ぐ。
ポイント
  • 胸管は大動脈裂孔を通過する。大静脈孔を通るのは下大静脈であり、胸管ではない。
  • 覚え方のコツ: 「大動脈裂孔=大動脈・胸管・奇静脈」「大静脈孔=下大静脈」「食道裂孔=食道・迷走神経」と3つの孔をセットで暗記。
  • 関連知識: 大動脈裂孔は第12胸椎、食道裂孔は第10胸椎、大静脈孔は第8胸椎の高さ(腱中心)と上下関係も押さえる。
  • よくある間違い: 胸管を大静脈孔通過と誤認/胸管を右静脈角に注ぐと誤記する。
  • 臨床応用: 胸管は食道癌手術・開胸手術で損傷を受けやすく、損傷時は乳び胸水(chylothorax)を生じて呼吸困難や栄養障害の原因となる。
比較表
横隔膜の3孔 高さ 通る構造
大静脈孔 Th8(腱中心) 下大静脈・右横隔神経
食道裂孔 Th10 食道・迷走神経
大動脈裂孔 Th12 大動脈・胸管・奇静脈
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題26|胸管について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題26|胸管について誤っている記述はどれか。
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