学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0178

理由で解く 解剖学

Q0178 循環器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題31
問題
胸管について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 呼吸器の一部である。
2 乳ビ槽から始まる。
3 腸からのリンパが注ぐ。
4 左静脈角につながる。
解答
正解1(呼吸器の一部である。)
解説
✓ 1. 誤り
呼吸器の一部である。
(胸管についての「誤った記述」を選ぶ問題のため、この選択肢が正答となる。)胸管は全身最大のリンパ本幹であり、リンパ系に属する構造で、呼吸器の一部ではない。名称に「胸」が付くため紛らわしいが、これは胸腔を縦走することに由来するだけである。胸管は乳び槽から始まり脊柱前を上行し、左静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に注いで全身の大部分のリンパを静脈に還流させるリンパ輸送路として機能する。
✗ 2.
乳ビ槽から始まる。
✗ 正しい。 (設問上は「正しい記述」であるため誤りではない。)胸管は横隔膜の大動脈裂孔付近で腰リンパ本幹と腸リンパ本幹が合流してできる袋状の膨らみ「乳び槽」から起こる。腸からの脂肪吸収リンパ(乳び)を受けて白濁することが名称の由来となっている。
✗ 3.
腸からのリンパが注ぐ。
✗ 正しい。 (設問上は「正しい記述」であるため誤りではない。)小腸絨毛の中心乳び腔から始まる乳び管は腸間膜を通り腸リンパ本幹に集まる。これが腰リンパ本幹と合流して乳び槽をなし、胸管へ移行する。したがって腸からの脂肪含有リンパは胸管を通って静脈へ還る。
✗ 4.
左静脈角につながる。
✗ 正しい。 (設問上は「正しい記述」であるため誤りではない。)胸管は脊柱の前を上行して胸郭上口を抜け、左の内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部である左静脈角に注ぐ。ここで右上半身を除く全身のリンパが静脈血へ合流し、血液循環系に還流される。
ポイント
  • 胸管はリンパ系の本幹であって呼吸器ではない。起始:乳び槽、走行:脊柱前、終点:左静脈角。
  • 覚え方のコツ: 「胸管=リンパ系の主幹道=左肩口に注ぐ」とセットで記憶。「胸」の字につられない。
  • 関連知識: 右上半身(右頭頸部・右上肢・右胸郭)のリンパは右リンパ本幹を経て右静脈角に注ぎ、胸管には合流しない。
  • よくある間違い: 胸管=気管支と混同する/右静脈角に注ぐと誤る/胸管を血管と勘違いする。
  • 臨床応用: 胸管損傷では乳び胸水(chylothorax)を生じ、食道癌手術や外傷でリスクがある。
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題31|胸管について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題31|胸管について誤っている記述はどれか。
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