学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0147

理由で解く 解剖学

Q0147 循環器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題30
問題
下大静脈に直接注ぐ静脈はどれか。
選択肢
1 奇静脈
2 肝静脈
3 肺静脈
4 大腿静脈
解答
正解2(肝静脈)
解説
✗ 1. 誤り
奇静脈
奇静脈は後胸壁の右側を上行し、右肋間静脈を集めながら第4〜5胸椎の高さで前方へ弓状に曲がり、上大静脈の後面に注ぎ込む。下大静脈にも後腹壁で起始部(右腰静脈との連絡)でつながってはいるが、「直接注ぐ」先は上大静脈である。
✓ 2. 正しい
肝静脈
肝静脈は肝臓の後上面で左・中・右の3本にまとまり、肝臓後面に食い込んで上行する下大静脈の前壁に直接開口する。門脈と固有肝動脈から入った血液は肝小葉内の類洞で混ざり合い、中心静脈→肝静脈へと集約されて下大静脈を経由し右心房へ戻る。肝臓が「下大静脈の上に跨がる」形で位置しているため、肝静脈は動脈と伴行せず短距離で下大静脈に注ぐのが特徴である。
✗ 3. 誤り
肺静脈
肺静脈は肺循環の還流路で、左右の肺から各2本ずつ計4本が心臓後面に回り込み、左心房に注ぐ。肺でガス交換を終えた動脈血を左心房に運ぶ役割を持ち、体循環の静脈本幹である下大静脈とは経路が全く異なる。
✗ 4. 誤り
大腿静脈
大腿静脈は大腿三角を貫いて上行し、鼠径靱帯の下で外腸骨静脈と名を変える。さらに骨盤内で内腸骨静脈と合流して総腸骨静脈となり、左右の総腸骨静脈が第5腰椎前面で合流して下大静脈を形成するため、下大静脈には直接注がず、複数段階を経て合流する。
ポイント
  • 下大静脈の起始は第5腰椎前の左右総腸骨静脈合流で、途中で腰静脈・腎静脈・右副腎静脈・右性腺静脈・肝静脈などを受ける。
  • 覚え方のコツ: 下大静脈に直接注ぐのは「腰・腎・副腎(右)・性腺(右)・肝」と下から上へ順にイメージ。
  • 関連知識: 左腎静脈は腹大動脈の前を横切って長く走り、途中で左性腺静脈と左副腎静脈を受けてから下大静脈に注ぐ。
  • よくある間違い: 奇静脈を下大静脈に注ぐと誤答する/大腿静脈が直接下大静脈に注ぐと早合点する。
  • 臨床応用: 下大静脈フィルターは下肢深部静脈血栓による肺塞栓症予防のため、腎静脈合流部より下方の下大静脈に留置される。
比較表
下大静脈の流入枝 受ける血液
総腸骨静脈(左右) 下肢・骨盤内臓(下大静脈の起始)
腰静脈 後腹壁
腎静脈(左右) 腎臓(左は性腺・副腎静脈も受ける)
右副腎静脈・右性腺静脈 右副腎・右精巣(卵巣)
肝静脈 肝臓(門脈・固有肝動脈からの血液)
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題30|下大静脈に直接注ぐ静脈はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題30|下大静脈に直接注ぐ静脈はどれか。
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