学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ F. 大脳 / Q0521

理由で解く 解剖学

Q0521 神経系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題32
問題
錐体路の起始ニューロンが分布する脳の部位はどれか。
選択肢
1 前頭葉
2 頭頂葉
3 側頭葉
4 後頭葉
解答
正解1(前頭葉)
解説
✓ 1. 正しい
前頭葉
錐体路(皮質脊髄路)の起始ニューロンは前頭葉の一次運動野(中心前回・ブロードマン4野)と補足運動野・運動前野に存在する。5層にある巨大な錐体細胞(ベッツ細胞)を中心とする皮質運動ニューロンが起始となり、軸索は放線冠→内包後脚→大脳脚→橋底部→延髄錐体と下行し、延髄下端の錐体交叉で大部分が対側に渡って外側皮質脊髄路となり、脊髄前角の運動ニューロンに終止する。すなわち起始は前頭葉の中心前回に分布する。
✗ 2. 誤り
頭頂葉
頭頂葉の中心後回は一次体性感覚野で、上行する感覚情報(触覚・痛覚・温度覚・深部覚)の終着点である。下行性運動路の起始細胞は存在しない。
✗ 3. 誤り
側頭葉
側頭葉は一次聴覚野・ウェルニッケ言語野・嗅覚中枢・記憶に関わる海馬などを含むが、骨格筋の随意運動を指令する錐体路起始細胞はない。
✗ 4. 誤り
後頭葉
後頭葉は一次視覚野を中心とした視覚処理の中枢で、運動指令を発する領域ではない。錐体路の起始細胞は存在しない。
ポイント
  • 錐体路の起始=前頭葉中心前回の一次運動野(4野)。中心前回→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄錐体交叉→脊髄前角、と経路を一気に覚える。
  • 覚え方のコツ: 「運動は前、感覚は後ろ」=中心溝を挟んで前(前頭葉)が運動、後ろ(頭頂葉)が感覚。起始細胞は大きな『ベッツ細胞』と名前で覚える。
  • 関連知識: 運動野のホムンクルスは内側から下肢→体幹→上肢→手→顔→舌の順で、手と顔の領域が広い。補足運動野・運動前野は運動の計画、小脳・基底核は運動の調節を担う。
  • よくある間違い: 錐体路の「錐体」を中脳・延髄の構造と勘違いして起始も中脳と誤る/中心前回(運動)と中心後回(感覚)を取り違える、が典型ミス。
  • 臨床応用: 内包後脚の出血・梗塞では錐体路が障害され対側片麻痺が起こる(中大脳動脈穿通枝領域)。脊髄損傷では損傷レベル以下の運動・感覚障害が生じる。
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題32|錐体路の起始ニューロンが分布する脳の部位はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題32|錐体路の起始ニューロンが分布する脳の部位はどれか。
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