学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0180

理由で解く 解剖学

Q0180 循環器系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題21
問題
胸管について正しいのはどれか。
選択肢
1 乳び槽から続く。
2 大静脈孔を通過する。
3 右上半身のリンパが集まる。
4 右静脈角に注ぐ。
解答
正解1(乳び槽から続く。)
解説
✓ 1. 正しい
乳び槽から続く。
下半身のリンパは腰リンパ本幹、腸管からのリンパは腸リンパ本幹に集まり、横隔膜の大動脈裂孔付近で合流して乳び槽という袋状の膨らみをなす。乳び槽はそのまま上方に延びて胸管という太いリンパ本幹へと移行する。胸管は人体最大のリンパ管で、脂質を多く含んだ白濁したリンパ(乳び)を中枢へ運ぶ。
✗ 2. 誤り
大静脈孔を通過する。
胸管は横隔膜の「大動脈裂孔」を腹大動脈・奇静脈とともに通過して胸腔に入る。大静脈孔は横隔膜の腱中心に開き下大静脈が貫くための孔で、胸管の通過孔ではない。大動脈裂孔と大静脈孔を混同しないことが頻出ポイント。
✗ 3. 誤り
右上半身のリンパが集まる。
胸管には下半身・腹部・左上半身(左頭頸部・左上肢・左乳房)からのリンパが集まり、全身の約3/4のリンパを運ぶ。右上半身(右頭頸部・右上肢・右乳房)のリンパは右リンパ本幹に集まり右静脈角に注ぐ別系統で、胸管には合流しない。
✗ 4. 誤り
右静脈角に注ぐ。
胸管は脊柱の前を上行し胸郭上口を抜けて「左静脈角」(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に注ぐ。右静脈角に注ぐのは右リンパ本幹であり、胸管ではない。左右静脈角の区別は試験頻出のひっかけどころ。
ポイント
  • 胸管は「乳び槽から始まり、大動脈裂孔を通り、脊柱前を上行し、左静脈角に注ぐ」全身最大のリンパ本幹。
  • 覚え方のコツ: 「乳・大動・左」=乳び槽スタート/大動脈裂孔通過/左静脈角ゴール、の3点セットで暗記。右上半身のリンパだけは別系統(右リンパ本幹→右静脈角)。
  • 関連知識: 小腸絨毛の中心リンパ管(中心乳び腔)→乳び管→腸リンパ本幹→乳び槽→胸管と続くルートが、食事由来の脂質を運ぶ。食後の胸管内リンパは乳白色。
  • よくある間違い: 大動脈裂孔と大静脈孔を取り違える/胸管を右静脈角に注ぐと記憶する。「胸管は左、右リンパ本幹は右」と対で覚える。
  • 臨床応用: 左鎖骨上リンパ節(Virchow結節)の腫脹は胃癌など腹部悪性腫瘍の遠隔転移を示唆し、これは胸管が左静脈角付近で腹腔からのリンパを運んでいる解剖に基づく。胸管損傷では乳び胸(乳白色胸水)が起こる。
比較表
構造 集めるリンパ 注ぐ先
胸管 下半身・腹部・左上半身(全身の3/4) 左静脈角
右リンパ本幹 右頭頸部・右上肢・右乳房 右静脈角
乳び槽 腰リンパ本幹+腸リンパ本幹の合流 胸管へ移行
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題21|胸管について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題21|胸管について正しいのはどれか。
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