学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0134

理由で解く 解剖学

Q0134 循環器系

出典:あマ指 第19回(2011) 問題27
問題
頸部・胸部の動脈について正しい記述はどれか。
選択肢
1 右総頸動脈は大動脈弓から起こる。
2 左鎖骨下動脈は腕頭動脈から起こる。
3 椎骨動脈は鎖骨下動脈から起こる。
4 内胸動脈は腋窩動脈から起こる。
解答
正解3(椎骨動脈は鎖骨下動脈から起こる。)
解説
✗ 1. 誤り
右総頸動脈は大動脈弓から起こる。
右総頸動脈は大動脈弓からは直接起こらず、大動脈弓第1枝の腕頭動脈から分かれて生じる。大動脈弓から直接起こる3枝は腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈で、左は直接、右は腕頭動脈を介する左右非対称な構造をもつ。
✗ 2. 誤り
左鎖骨下動脈は腕頭動脈から起こる。
腕頭動脈は「右側にしかなく」、右鎖骨下動脈と右総頸動脈を分枝する。左鎖骨下動脈は大動脈弓の第3枝として独立して起こる。左右で起始経路が異なる。
✓ 3. 正しい
椎骨動脈は鎖骨下動脈から起こる。
椎骨動脈は左右の鎖骨下動脈から起こる最初の主要枝で、第6頸椎横突孔から第1頸椎横突孔までを上行し、大後頭孔を通って頭蓋腔に入る。左右の椎骨動脈は橋下縁で合流して脳底動脈となり、小脳・脳幹・後大脳動脈領域を灌流する。鎖骨下動脈からはこのほか内胸動脈・甲状頸動脈・肋頸動脈も分枝する。
✗ 4. 誤り
内胸動脈は腋窩動脈から起こる。
内胸動脈は鎖骨下動脈の下面から下方へ出る枝で、胸骨外側を下行して肋間動脈前枝や上腹壁動脈を出す。腋窩動脈から出るのではない。腋窩動脈は鎖骨下動脈の延長として第1肋骨外縁から始まる部分であり、肩甲下動脈や上腕回旋動脈を出して上肢を養う。
ポイント
  • 鎖骨下動脈の枝は「椎骨動脈・内胸動脈・甲状頸動脈・肋頸動脈」。椎骨動脈は脳へ、内胸動脈は前胸壁・腹壁へ向かう。
  • 覚え方のコツ: 「右は腕頭経由、左は直接」。右総頸・右鎖骨下は腕頭動脈から、左総頸・左鎖骨下は大動脈弓から直接起こる。
  • 関連知識: 内胸動脈は冠動脈バイパス(CABG)のグラフトに使用される臨床的に重要な血管で、長期開存率が高い。
  • よくある間違い: 椎骨動脈を「総頸動脈の枝」と誤る。椎骨動脈は「鎖骨下動脈の枝」である。
  • 臨床応用: 鎖骨下動脈近位の狭窄では椎骨動脈の血流が逆行して上肢に流れる「鎖骨下動脈盗血症候群」を生じ、上肢運動時に脳虚血症状(めまい・失神)が現れる。
比較表
起始 主な分枝
大動脈弓 腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈
腕頭動脈 右総頸動脈、右鎖骨下動脈
鎖骨下動脈 椎骨動脈、内胸動脈、甲状頸動脈、肋頸動脈
総頸動脈 内頸動脈、外頸動脈
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題27|頸部・胸部の動脈について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題27|頸部・胸部の動脈について正しい記述はどれか。
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