
この図の解説
骨盤を正中で縦割りにした矢状断で、男性生殖器と周囲の臓器の位置関係が一望できる図である。まず前後の並びに注目したい。前方に恥骨結合、その後方に膀胱・前立腺、さらに後方に直腸が層をなして並ぶ。膀胱のすぐ下に栗の実形の前立腺がのり、その後上方には精管の終末が太まった精管膨大部が、続いて前立腺を細く貫く射精管が描かれている。図の左側には尿道が三つに区分してラベルされている点が最大の見どころで、前立腺の中を貫く前立腺部、尿生殖隔膜を貫く隔膜部(膜様部)、尿道海綿体の中を進む海綿体部の順に、膀胱から外尿道口へと連続する。隔膜部の直下には尿道球腺が、その先には尿道球と球海綿体筋が位置する。前立腺の後方は直腸膨大部に接し、下方には内・外肛門括約筋と肛門が並ぶ。陰嚢内には精巣と精巣上体が収まる。
学習の要点
- 前後の配列は「恥骨結合→膀胱・前立腺→直腸」。前立腺は膀胱の直下にあり、後面は直腸に接する。ここが直腸診で前立腺を触れられる解剖学的根拠となる。
- 覚え方のコツ: 男性尿道の3部は膀胱側から「前立腺部→隔膜部(膜様部)→海綿体部」。「立(前立腺)って膜(隔膜)くぐって海(海綿体)へ」と順に下る流れで覚える。
- 関連知識: 精管は前立腺に入る手前で太まって精管膨大部となり、前立腺を貫く細い部分が射精管である。射精管は前立腺内で尿道に開く。
- よくある間違い: 尿道球腺を前立腺の「上」と誤りやすいが、前立腺の下方(隔膜部の高さ)に左右1対あるエンドウ豆大の粘液腺で、性的興奮の際に陰茎の亀頭を潤す。
- 臨床応用: 前立腺の内腺が肥大すると内部を貫く尿道を圧迫し、排尿障害(前立腺肥大)を生じる。図で尿道が前立腺の中央を貫く関係がその理解の土台になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
精管が前立腺に入る手前で太くなった部分を精管( )部といい、前立腺を細く貫いて尿道に開く部分を( )という。カッコに入る語を順に答えよ。
答えを見る
答え: 膨大/射精管
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。