学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0359

理由で解く 解剖学

Q0359 泌尿器系

出典:あマ指 第19回(2011) 問題25
問題
泌尿器系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 糸球体は動脈によって形成される。
2 尿管は腹大動脈の前方を通る。
3 膀胱は前立腺の下方にある。
4 女性の尿道は膣に開口する。
解答
正解1(糸球体は動脈によって形成される。)
解説
✓ 1. 正しい
糸球体は動脈によって形成される。
糸球体は腎動脈から分かれた輸入細動脈が腎小体内で毛細血管網(糸球体毛細血管)に分かれ、再び集まって輸出細動脈となる特殊な動脈性毛細血管塊である。動脈の間に毛細血管がはさまれ、なおかつ両側が動脈という「動脈性怪網(動脈性門脈)」の構造をとり、高い濾過圧で原尿を生成するためのフィルターとして機能する。この構造は脳下垂体門脈とならぶ数少ない「動脈間毛細血管」の例である。
✗ 2. 誤り
尿管は腹大動脈の前方を通る。
尿管は腎盂から膀胱まで後腹膜を下行する。左尿管は腹大動脈の左外側、右尿管は下大静脈の右外側をほぼ平行に走り、いずれも大血管の「前方」を横切るのではなく側方を縦走する。骨盤縁で総腸骨動脈の前を越えて骨盤内に入り、女性では子宮動脈の下方を通る。
✗ 3. 誤り
膀胱は前立腺の下方にある。
男性の骨盤内では膀胱が前立腺の「上方」にあり、前立腺は膀胱の下方・尿道の起始部を取り囲む位置にある。膀胱頸から出た尿道が前立腺を貫通して陰茎へ向かう。したがって上下関係は逆である。
✗ 4. 誤り
女性の尿道は膣に開口する。
女性の尿道は約4cmと短く、膀胱から恥骨後面を経て膣の前方を下行し、膣前庭で膣口とは別個に外尿道口として開口する。膣への開口はなく、尿路と生殖路は明確に分離している。男性の尿道は生殖路(射精管)と合流する点と対比される。
ポイント
  • 糸球体は「輸入細動脈→糸球体毛細血管→輸出細動脈」と動脈の間に毛細血管が挟まれた動脈性怪網で、高圧濾過を実現する。
  • 覚え方のコツ: 怪網(rete mirabile)は「動脈性(糸球体)」と「静脈性(肝門脈・下垂体門脈)」の2型で対比。
  • 関連知識: 輸出細動脈はさらに尿細管周囲毛細血管網を形成し、再吸収に働く。傍糸球体装置はレニンを分泌し血圧調節に関与する。
  • よくある間違い: 尿管を「腹大動脈の前方」と誤る、女性尿道の開口を「膣」と誤る。尿管は側方、女性尿道は膣前庭に独立開口。
  • 臨床応用: 糸球体濾過量(GFR)低下は腎機能障害の指標。尿管結石は尿管の3生理的狭窄部(腎盂尿管移行部・総腸骨動脈交叉部・膀胱壁内部)で嵌頓しやすい。
比較表
構造 位置・関係
糸球体 腎小体内、輸入・輸出細動脈の間の毛細血管塊
尿管 腹大動脈・下大静脈の側方を下行、総腸骨動脈の前を越えて骨盤内へ
膀胱 男性では前立腺の上方、女性では子宮の下前方
女性尿道 膣前庭に外尿道口として開口(膣とは別)
男性尿道 前立腺部・膜様部・海綿体部の3部、射精管と前立腺部で合流
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題25|泌尿器系について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題25|泌尿器系について正しい記述はどれか。
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