学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0158

理由で解く 解剖学

Q0158 循環器系

出典:あマ指 第19回(2011) 問題28
問題
静脈について下大静脈に注ぐのはどれか。
選択肢
1 食道静脈
2 奇静脈
3 肝静脈
4 脾静脈
解答
正解3(肝静脈)
解説
✗ 1. 誤り
食道静脈
食道静脈は食道壁の粘膜下静脈叢を受け、上部は下甲状腺静脈を経て腕頭静脈へ、中部は奇静脈・半奇静脈へ、下部は胃左静脈を介して門脈へと流れる。下大静脈に直接注ぐ経路はなく、肝硬変時には下部食道静脈叢が門脈-奇静脈の側副路となって食道静脈瘤を作る部位として有名。
✗ 2. 誤り
奇静脈
奇静脈は右側の肋間静脈などを集めて脊柱右側を上行し、第4胸椎の高さで前方へ弓状にカーブしたのち上大静脈の後面に注ぐ。下大静脈ではなく上大静脈の枝であり、上大静脈閉塞時には奇静脈が下大静脈への逆流路となりうる。
✓ 3. 正しい
肝静脈
肝静脈は肝臓内で門脈と固有肝動脈の血液を集めた類洞から集まり、肝臓後上面で数本(右・中・左肝静脈)となって肝臓の裏側に食い込んだ下大静脈に直接注ぐ。この流入部は横隔膜直下の肝臓後方にあり、下大静脈はその後大静脈孔を貫いて右心房に至る。肝臓は「門脈から入り肝静脈から出る」機能血管の出口。
✗ 4. 誤り
脾静脈
脾静脈は脾臓から出て膵体尾部の後面を右方に走り、膵頭部後方で上腸間膜静脈と合流して門脈本幹となる。途中で下腸間膜静脈を受け入れる。したがって脾静脈は下大静脈ではなく門脈系に属する血管で、赤血球破壊産物のビリルビンを肝臓へ運ぶ役割を担う。
ポイント
  • 下大静脈に直接注ぐ主な枝は、下位から総腸骨静脈・腰静脈・右性腺静脈・腎静脈・副腎静脈(右)・肝静脈・下横隔静脈。
  • 覚え方のコツ: 「肝・腎・腰・性腺(右)・副腎(右)」を下大静脈の直接枝としてセット暗記。脾静脈・上下腸間膜静脈は門脈系、奇静脈は上大静脈系と対比する。
  • 関連知識: 左右差に注意。左性腺静脈・左副腎静脈は左腎静脈へ合流してから下大静脈に注ぐ(長い経路)。右側は短く直接下大静脈に注ぐ。
  • よくある間違い: 脾静脈や腸間膜静脈を下大静脈に注ぐと勘違いする。これらは必ず肝臓(類洞)を経由してから肝静脈を介して下大静脈に至ることを意識する。
  • 臨床応用: Budd-Chiari症候群は肝静脈または下大静脈肝部の閉塞により肝うっ血・門脈圧亢進・腹水を呈する疾患で、肝静脈が下大静脈に直接注ぐ解剖を理解していると病態が把握しやすい。
比較表
静脈 直接の流入先 血行系
肝静脈 下大静脈(横隔膜直下) 体循環
脾静脈 門脈(上腸間膜静脈と合流) 門脈系
奇静脈 上大静脈(後面) 体循環
食道静脈(下部) 胃左静脈→門脈/奇静脈 門脈-体循環吻合
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題28|静脈について下大静脈に注ぐのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題28|静脈について下大静脈に注ぐのはどれか。
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