学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0076

理由で解く 解剖学

Q0076 循環器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題28
問題
心臓の筋層で最も厚いのはどれか。
選択肢
1 右心房
2 左心房
3 右心室
4 左心室
解答
正解4(左心室)
解説
✗ 1. 誤り
右心房
右心房は大静脈から静脈血を受け止めるだけの受動的な部屋で、壁は4腔の中で最も薄い。心房全般に心筋層は薄く、強い拍出力を必要としないためである。
✗ 2. 誤り
左心房
左心房は肺静脈から動脈血を受け止める部屋で、壁は薄い。心房は血液を受け止め隣接する心室へ送るだけの役割なので、心室に比べて心筋層は薄く構成される。
✗ 3. 誤り
右心室
右心室の壁は心房よりは厚いが、肺循環(小循環)という短く低圧の系統に血液を拍出するため、左心室ほどの厚さはない。一般に左心室の壁は右心室の約2〜3倍の厚さを持つ。
✓ 4. 正しい
左心室
左心室の心筋層は心臓4腔のうち最も厚い。左心室は体循環(大循環)という全身の高圧・長距離の系統に向けて大動脈に動脈血を拍出するポンプであり、強大な圧を発生させる必要がある。そのため心筋線維が発達し、壁の厚さは約10〜15mmに達する。一方で肺循環のみを担う右心室の壁は約3〜5mmで、機能的な負荷の違いが心筋層の厚さに明確に反映されている。
ポイント
  • 心室壁の厚さは「左心室>右心室>>心房」。体循環を担う左心室が最も厚い。
  • 覚え方のコツ: 「遠くに送るほど筋肉が必要」。全身(体循環)>肺(肺循環)>心房の順に厚さが増す。
  • 関連知識: 心房は血液を受け止める部屋で壁が薄く、心室は強く拍出する部屋で壁が厚い。心房と心室の境界は冠状溝。
  • よくある間違い: 右心房は上下大静脈が注ぐからといって壁が厚いと誤解しない。心房は左右とも薄い。
  • 臨床応用: 高血圧が長く続くと左心室の壁が肥厚する(左室肥大)。心エコーやX線で検出され、心不全の危険因子となる。
比較表
部位 壁の厚さ(目安) 機能
左心室 約10〜15 mm 体循環(全身)へ動脈血を拍出
右心室 約3〜5 mm 肺循環へ静脈血を拍出
左心房 約2〜3 mm 肺静脈から動脈血を受ける
右心房 約2 mm 大静脈から静脈血を受ける
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題28|心臓の筋層で最も厚いのはどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題28|心臓の筋層で最も厚いのはどれか。
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