学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0198

理由で解く 解剖学

Q0198 循環器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題27
問題
胸骨の後方で心臓の前上方に位置する臓器はどれか。
選択肢
1 上皮小体
2 松果体
3 胸腺
4 甲状腺
解答
正解3(胸腺)
解説
✗ 1. 誤り
上皮小体
上皮小体は頸部の甲状腺後面に上下1対計4個が存在し、胸骨の後方(縦隔)にはない。まれに発生異常で縦隔内に迷入する異所性上皮小体がみられることはあるが、通常は頸部の臓器である。
✗ 2. 誤り
松果体
松果体は頭蓋腔内、間脳の後上部に位置する小さな内分泌器官であり、胸郭内には存在しない。メラトニンを分泌して概日リズムを調節する。
✓ 3. 正しい
胸腺
胸腺は胸骨の後方、心臓の前上方すなわち上縦隔〜前縦隔にまたがって位置する扁平な器官である。胸膜や心膜の前方にあり、小児期に最大となって思春期以降に脂肪組織に置き換わり退縮する。T細胞(Tリンパ球)の分化・成熟の場として中枢リンパ性器官の役割を担い、一方でチモシンなどのホルモンを分泌する内分泌性格も併せ持つため、リンパ器官かつ内分泌器官として位置づけられる。
✗ 4. 誤り
甲状腺
甲状腺は頸部、甲状軟骨下端〜第6気管軟骨の高さで気管の前外側に位置する蝶形の臓器で、胸骨の後方ではない。物を飲み込むと甲状軟骨とともに上下するのが特徴である。
ポイント
  • 胸腺は胸骨の後方、心臓の前上方(上・前縦隔)に位置し、T細胞を成熟させる中枢リンパ性器官である。
  • 覚え方のコツ: 「胸『骨』の後ろにあるから胸腺」と部位名と臓器名を直結。甲状腺は「甲状軟骨の下」で頸部、胸腺は胸骨の後ろと対比。
  • 関連知識: 胸腺は思春期に最大重量(35〜40g)となり、成人後は脂肪組織に置換され縮小する。皮質・髄質の構造をもち、髄質にはハッサル小体がみられる。
  • よくある間違い: 胸腺を甲状腺と混同/縦隔の前上部を「後縦隔」と誤認する。縦隔は心臓前方が前縦隔、心臓の高さが中縦隔、後方が後縦隔。
  • 臨床応用: 重症筋無力症では胸腺腫・胸腺過形成を合併しやすく、胸腺摘除が治療選択となる。小児期の胸腺は正面胸部X線で縦隔陰影の拡大として写り、「帆状陰影(sail sign)」を呈することがある。
比較表
臓器 部位
胸腺 上縦隔〜前縦隔(胸骨の後方、心臓の前上方)
甲状腺 頸部、甲状軟骨下〜気管上部の前外側
上皮小体 甲状腺後面(頸部)
松果体 頭蓋腔、間脳後上部
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題27|胸骨の後方で心臓の前上方に位置する臓器はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題27|胸骨の後方で心臓の前上方に位置する臓器はどれか。
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