
この図の解説
図は腹大動脈を右側から見て、椎体(T12〜L4)と各臓側枝の分岐高位を並べたものである。まず着目すべきは、無対で前面から出る消化器系の3枝が上から順に並ぶ点と、有対で側方から出る泌尿生殖器系の枝が間にはさまる点である。最上位はT12下部の腹腔動脈で、横隔膜のすぐ下から出て左胃・脾・総肝動脈に3分枝する。次いでL1上部で上腸間膜動脈、L1下部で腎動脈が出る。腎動脈が第1腰椎の高さで分枝することは国試で問われた実績がある。さらにL2で精巣動脈/卵巣動脈、L3で下腸間膜動脈が出て、L4で腹大動脈は左右の総腸骨動脈に分かれる。上から下へ「腹腔→上腸間膜→腎→性腺→下腸間膜」の順序を椎体の目盛りとともに押さえたい。
学習の要点
- 分岐高位の順:腹腔動脈(T12下部)→上腸間膜動脈(L1上部)→腎動脈(L1下部)→精巣/卵巣動脈(L2)→下腸間膜動脈(L3)→総腸骨動脈分岐部(L4)。
- 覚え方のコツ:消化器の無対3枝(腹腔・上腸間膜・下腸間膜)は前面から一直線、その谷間に有対の腎動脈・性腺動脈が側方から割り込むイメージ。
- 関連知識:腹腔動脈は左胃動脈・脾動脈・総肝動脈に3分枝し、胃・脾臓・肝臓・胆嚢・膵臓など上腹部を養う。上腸間膜動脈は膵臓〜横行結腸、下腸間膜動脈は下行結腸〜直腸に分布する。
- よくある間違い:腎動脈をL2以下と誤認しやすいが第1腰椎(L1)の高さ。性腺動脈は腎動脈よりやや下方(L2)から出る細い動脈。
- 臨床応用:腹部触診・エコーで臍上部の拍動は腹大動脈で、L4より上を評価する。腹部大動脈瘤の多くは腎動脈分岐(L1)より下に生じる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
腹大動脈は第( )腰椎の高さで左右の総腸骨動脈に分岐する。空欄に入る数字を答えよ。
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答え: 4
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。