学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ B. 心臓 / Q0077

理由で解く 解剖学

Q0077 循環器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題30
問題
心臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 房室弁は半月弁である。
2 右心房の壁は左心房の壁より厚い。
3 心臓の下部は胸郭の右へ片寄る。
4 冠状動脈は心臓を栄養する。
解答
正解4(冠状動脈は心臓を栄養する。)
解説
✗ 1. 誤り
房室弁は半月弁である。
房室弁は心房と心室の間にある弁で、右の三尖弁と左の二尖弁(僧帽弁)からなる。半月弁は心室と動脈の間にあるポケット状の弁で、肺動脈弁と大動脈弁を指す。房室弁と半月弁は別の弁である。
✗ 2. 誤り
右心房の壁は左心房の壁より厚い。
右心房と左心房の壁の厚さには大きな差はなく、いずれも薄い。心房全体は血液を受け止める受動的な部屋であるため心筋層が薄く、受動圧のみで送血する点で共通する。心房と心室を比較すべき記述である。
✗ 3. 誤り
心臓の下部は胸郭の右へ片寄る。
心臓の下部(心尖)は左に片寄る。心臓の軸は左斜めに傾くため心尖は左胸部に位置し、体表から見ると左の第5肋間・鎖骨中線付近で拍動が触れる。右ではなく左である。
✓ 4. 正しい
冠状動脈は心臓を栄養する。
冠状動脈は心臓自身を栄養する血管である。左右の冠状動脈は上行大動脈基部(大動脈洞)から起始し、心臓表面(冠状溝・前室間溝・後室間溝)を走行しながら心筋層に小枝を送る。左冠状動脈は前室間枝(左前下行枝)と回旋枝に分かれ、右冠状動脈は冠状溝を回って後面で後室間枝となる。終動脈の性格を持つため、閉塞すると領域の心筋は虚血・壊死(心筋梗塞)に至る。
ポイント
  • 冠状動脈は上行大動脈基部から起始し、左右1対で心臓自身を養う栄養血管である。
  • 覚え方のコツ: 「冠(かん)」は王冠の意味。心臓をかぶる王冠のように冠状溝を走ることから命名。
  • 関連知識: 左冠状動脈は前室間枝(左前下行枝:LAD)と回旋枝に分かれ、右冠状動脈は後室間枝に至る。静脈は冠状静脈洞に集まり右心房に注ぐ。
  • よくある間違い: 冠状動脈を胸大動脈や右心房から起始すると誤答しない。必ず上行大動脈基部から起始。
  • 臨床応用: 冠状動脈の狭窄・閉塞は狭心症・心筋梗塞を起こす。冠動脈造影(CAG)やPCI(経皮的冠動脈インターベンション)が治療に用いられる。
比較表
冠状動脈 主な枝 栄養領域
左冠状動脈 前室間枝(左前下行枝)、回旋枝 左心室前壁・側壁、心室中隔の前方
右冠状動脈 後室間枝 右心室、左心室後壁、心室中隔後方、洞房結節・房室結節(多くの例)
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題30|心臓について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題30|心臓について正しい記述はどれか。
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