学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ A. 血管系(総論) / Q0072

理由で解く 解剖学

Q0072 循環器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題29
問題
右心房へ血液を送る血管はどれか。
選択肢
1 大動脈
2 大静脈
3 肺動脈
4 肺静脈
解答
正解2(大静脈)
解説
✗ 1. 誤り
大動脈
大動脈は左心室から体循環へ血液を送り出す動脈で、右心房に流入する血管ではない。大動脈起始部から出る冠動脈が心筋を養うが、右心房へ注ぐ血流路とは別系統である。
✓ 2. 正しい
大静脈
上大静脈は上半身(頭頸部・上肢・胸壁)の静脈血を集めて右心房に注ぎ、下大静脈は下半身(腹部・骨盤・下肢)の静脈血を集めて右心房に注ぐ。加えて心臓自身の静脈は冠状静脈洞として右心房に開口する。体循環から心臓へ戻る血液はすべて大静脈系を経由して右心房に収束する。この構造により、全身を循環した低酸素血が一度右心房に集められ、肺循環へ送り出される流路が完成する。
✗ 3. 誤り
肺動脈
肺動脈は右心室から出て左右の肺へ向かう血管で、右心房ではなく肺へ低酸素血を運ぶ。肺循環の出発点にあたり、右心系の出口血管である点に注意する。
✗ 4. 誤り
肺静脈
肺静脈は肺で酸素化された動脈血を運び、左右4本が左心房に注ぐ。右心房ではなく左心房に入る血管であり、肺循環の帰路にあたる。名称が「静脈」でも内部を流れるのは動脈血である。
ポイント
  • 右心房には上大静脈・下大静脈・冠状静脈洞が開口する。体循環の静脈血の終点である。
  • 覚え方のコツ: 「右は静脈血、左は動脈血」。右心系は肺へ送る前、左心系は全身へ送り出す段階と心腔の入出力で整理する。
  • 関連知識: 肺静脈は動脈血、肺動脈は静脈血。名称と内容が逆転する唯一の例は肺循環。
  • よくある間違い: 「動脈=動脈血」「静脈=静脈血」と思い込むと肺血管で誤答する。動脈/静脈は心臓から出る/戻るで定義される。
  • 臨床応用: 中心静脈カテーテルは内頸静脈→上大静脈→右心房付近に先端を留置し、全身への薬剤投与経路とする。心房中隔欠損では左→右短絡が生じ右心系に負荷がかかる。
比較表
心腔 流入血管 流出血管 血液の質
右心房 上・下大静脈、冠状静脈洞 右心室へ 静脈血
右心室 右心房から 肺動脈 静脈血
左心房 肺静脈(4本) 左心室へ 動脈血
左心室 左心房から 大動脈 動脈血
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題29|右心房へ血液を送る血管はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題29|右心房へ血液を送る血管はどれか。
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