学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ C. 体表構造(皮膚) / Q0061

理由で解く 解剖学

Q0061 人体の構成

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題26
問題
皮膚について正しいのはどれか。
選択肢
1 自由神経終末は侵害刺激を受容する。
2 成人の右上肢は総面積の1/5 を占める。
3 パチニ小体は真皮乳頭に存在する。
4 表皮は有棘細胞の分裂によって増殖する。
解答
正解1(自由神経終末は侵害刺激を受容する。)
解説
✓ 1. 正しい
自由神経終末は侵害刺激を受容する。
自由神経終末は被膜を持たない裸の神経終末で、表皮内にまで入り込み、痛覚と温度覚(侵害刺激)を感受する。組織損傷を伴う機械的・化学的・熱的刺激を検出して、外界からの危険を警告する保護的な感覚器である。他の終末小体(マイスネル・パチニ・ルフィニなど)が触圧覚を担うのに対し、自由神経終末だけが侵害刺激に特化している点を押さえておきたい。
✗ 2. 誤り
成人の右上肢は総面積の1/5 を占める。
熱傷の「9の法則」では成人の上肢は片側で9%、つまり総体表面積の約1/11である。1/5(20%)を占めるのは両上肢合計でも誤りで、下肢前面・後面いずれかや胴体の前面などに相当する値である。
✗ 3. 誤り
パチニ小体は真皮乳頭に存在する。
パチニ小体は大型の被膜付き受容器で、皮下組織(真皮深層〜皮下)に存在する。真皮乳頭に分布する卵形の受容器はマイスネル小体であり、両者を取り違えないようにしたい。
✗ 4. 誤り
表皮は有棘細胞の分裂によって増殖する。
表皮の増殖は最深層の基底層にある基底細胞の分裂によって行われる。有棘層は基底層から送り出された細胞が積み重なった層で、分裂の主役ではない。基底層と有棘層を合わせて胚芽層と呼ぶ。
ポイント
  • 自由神経終末は侵害刺激(痛覚)と温度覚の受容器。表皮にまで入り込める唯一の感覚終末。
  • 覚え方のコツ: 「裸=痛み/被膜あり=触圧」。熱傷の9の法則は「頭9/上肢9(片側)/下肢前9・後9/体幹前9×2・後9×2/陰部1」。
  • 関連知識: 表皮の分裂は基底層が主役、有棘層は基底から送り出された細胞の積み重なり。パチニは皮下、マイスネルは真皮乳頭。
  • よくある間違い: 「パチニ=真皮乳頭」「有棘層で分裂」「上肢=20%」の3つを混同しない。
  • 臨床応用: 侵害受容器は皮膚・内臓・骨膜などに広く分布し、急性疼痛の出発点となる。慢性疼痛では自由神経終末の感作が病態の中心となる。
比較表
受容器 所属層 刺激
自由神経終末 表皮・真皮 侵害(痛覚)・温度覚
メルケル小体 表皮基底層 触覚(持続)
マイスネル小体 真皮乳頭 触覚(動的)
ルフィニ小体 真皮深層〜皮下 伸展・持続圧
パチニ小体 皮下組織 振動・急速圧
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題26|皮膚について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題26|皮膚について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手