学習トップ理由で解く 解剖学第6章 ▸ C. 受精と発生 / Q0448

理由で解く 解剖学

Q0448 生殖器系

出典:あマ指 第24回(2016) 問題16
問題
受精と発生について正しいのはどれか。
選択肢
1 受精は卵管膨大部で起こる。
2 受精と同時に透明帯は消失する。
3 桑実胚の状態で着床する。
4 胎盤で母体と胎児の血液が混ざり合う。
解答
正解1(受精は卵管膨大部で起こる。)
解説
✓ 1. 正しい
受精は卵管膨大部で起こる。
受精は卵管の外側1/2を占める「卵管膨大部」で起こる。排卵された卵子は腹腔に放出された後に卵管采の運動で漏斗→膨大部へと取り込まれ、膣内に射精された精子は子宮頸管→子宮腔→卵管峡部を経て膨大部に到達し、両者が出会って受精卵となる。受精卵はその後、卵管の筋層運動と線毛運動により子宮へ運ばれながら卵割を繰り返し、3〜4日で桑実胚、5〜7日で胚盤胞となって子宮内膜に着床する。したがって本肢は正しい。
✗ 2. 誤り
受精と同時に透明帯は消失する。
受精後も透明帯はすぐには消失せず、卵管内で2・4・8・16・32細胞へと卵割しても受精卵全体は透明帯に包まれたまま大きさを変えずに子宮へ運ばれる。透明帯が消失するのは受精後5〜7日、胚盤胞が子宮内膜に着床する直前であって、「受精と同時」ではなく誤り。
✗ 3. 誤り
桑実胚の状態で着床する。
桑実胚は受精後3〜4日で子宮腔に到達するだけで、まだ着床は起こらない。その後さらに卵割を続けて内部にすき間ができた袋状の「胚盤胞(胞胚)」となり、透明帯が消失してから着床する。着床するのは胚盤胞の段階であり、桑実胚ではないため誤り。
✗ 4. 誤り
胎盤で母体と胎児の血液が混ざり合う。
胎盤では絨毛の壁を隔てて物質交換が行われるのみで、母体と胎児の血液が直接混ざり合うことはない。絨毛の毛細血管内は胎児血、絨毛を囲む絨毛間腔は母体血で、両者は絨毛壁を隔てた拡散を介してのみ酸素・栄養・老廃物を交換する。混ざるとする本肢は誤り。
ポイント
  • 受精は卵管膨大部で起こり、胚盤胞の段階で着床する。透明帯は着床直前に消失する。
  • 覚え方のコツ: 「膨大部で受精、子宮で着床」——場所で区別。透明帯は「着床の直前に消える覆い」と時間で覚える。
  • 関連知識: 母児の血液は絨毛壁を隔てて接するだけで混ざらない。物質交換は拡散(酸素・CO2)と能動輸送(グルコース・アミノ酸)。
  • よくある間違い: 受精を子宮内/着床を桑実胚と誤認/透明帯を受精直後に消失と混同/母児血液を混合と誤解。
  • 臨床応用: 卵管膨大部妊娠が子宮外妊娠の最多型。破裂で急性腹症となる。透明帯の硬化は体外受精で着床困難の原因となり、レーザー等で透明帯開孔術(assisted hatching)を行う場合がある。
比較表
選択肢 正誤 正しい事実
受精は卵管膨大部 膨大部=卵管外側1/2
受精と同時に透明帯消失 × 透明帯消失は着床直前(受精後5〜7日)
桑実胚で着床 × 着床は胚盤胞の段階
胎盤で母児血液混合 × 絨毛壁を介する拡散のみ
解説画像
あマ指 第24回(2016) 問題16|受精と発生について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第24回(2016) 問題16|受精と発生について正しいのはどれか。
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