学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P111

理由で解く 柔道整復師

QJ34P111 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問111
問題
24歳の男性。ランニング中に右前足部が溝に挟まって転倒して来所した。足部に激痛を訴えており、前足部は軽度外転位を呈している。足内側縁には内側楔状骨が触知され、足外側縁は第5中足骨底部が突出している。考えられるのはどれか。
選択肢
1 リスフラン関節外側脱臼
2 ショパール関節外側脱臼
3 リスフラン関節内側脱臼
4 ショパール関節内側脱臼
解答
正解1(リスフラン関節外側脱臼)
解説

前足部が溝に固定されたまま転倒し、前足部が軽度外転位を呈しています。足内側縁で内側楔状骨が、足外側縁で第5中足骨底部が突出して触れることが、リスフラン関節で中足骨列が外側へずれたことを示します。

リスフラン関節(足根中足関節)は、内側・中間・外側楔状骨および立方骨と、第1〜5中足骨底がつくる関節列です。このうち中間楔状骨は内側楔状骨・外側楔状骨より後方に引っ込んでおり、そこにほぞ穴のような凹みができています。第2中足骨底はこの内側楔状骨と外側楔状骨に挟まれた凹みに深く陥入して要石(キーストーン)となり、さらに内側楔状骨と第2中足骨底を結ぶ強靱なリスフラン靱帯で支えられています。前足部が固定された状態で体が前方や側方へ倒れると、この関節列に強い外転・回旋の力が加わって中足骨群が転位します。転位方向を読むコツは「突出して触れる骨がどちら側の骨か」。近位側に取り残された内側楔状骨が足の内側縁に触れ、遠位側で外方へ移動した第5中足骨底部が足の外側縁に突出する組み合わせは、遠位の中足骨列が外側へずれたことを意味します。前足部が外転位をとることも、この読みを裏づけます。

✓ 1. 正しい
リスフラン関節外側脱臼
近位側の骨である内側楔状骨が内側縁で触知され、遠位側の第5中足骨底部が外側縁に突出するという所見の組み合わせは、足根中足関節での外側脱臼を示します。前足部の外転位も一致します。腫脹が急速に進み、血管損傷やコンパートメント症候群を伴うことがあるため、足背動脈の拍動と足趾の知覚・色調を確認し、副子固定・挙上・冷却のうえ直ちに医療機関へ搬送します。
✗ 2. 誤り
ショパール関節外側脱臼
ショパール関節(横足根関節)は距舟関節と踵立方関節からなります。ここで脱臼すれば近位側に残るのは距骨頭と踵骨前方部で、内側縁に触れるのは距骨頭です。内側楔状骨は遠位骨片の側に含まれてしまうため、本例の触診所見とは合いません。
✗ 3. 誤り
リスフラン関節内側脱臼
中足骨列が内側へずれる型で、前足部は内転位をとります。内側縁には第1中足骨底が、外側縁には近位側に残った立方骨が突出します。本例は前足部外転位で、突出する骨の組み合わせも逆であり当てはまりません。
✗ 4. 誤り
ショパール関節内側脱臼
脱臼の高さも転位方向も本例と一致しません。この型では遠位骨片側の舟状骨が内側に、近位側の距骨頭や踵骨前方部が外側に突出します。中足骨底部が外側縁に突出するという所見にはなりません。
ポイント
  • リスフラン関節=足根中足関節。第2中足骨底が内側楔状骨と外側楔状骨の間の凹み(中間楔状骨が後退してできるほぞ穴)に陥入する構造がキーストーン。
  • 転位方向の読み方:突出して触れる骨が「近位側の骨」なら、遠位骨片はその反対方向へずれている。
  • 外側脱臼では前足部外転位となり、内側楔状骨が内側に、第5中足骨底が外側に突出する。
  • ショパール関節(距舟+踵立方)脱臼では距骨頭や舟状骨が突出する。触れる骨で高位を判別する。
  • 高エネルギー損傷で腫脹が強い。足背動脈の拍動と知覚を確認し、コンパートメント症候群に注意して速やかに医療機関へ。
比較表
脱臼部位と方向前足部の肢位足内側縁に触れる骨足外側縁に触れる骨
リスフラン関節・外側脱臼(本例)外転位内側楔状骨(近位側)第5中足骨底部(遠位側)
リスフラン関節・内側脱臼内転位第1中足骨底部(遠位側)立方骨(近位側)
ショパール関節・外側脱臼外転位距骨頭(近位側)立方骨など遠位骨片
ショパール関節・内側脱臼内転位舟状骨(遠位側)距骨頭・踵骨前方部(近位側)
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