学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ34P098

理由で解く 柔道整復師

QJ34P098 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問98
問題
手の障害と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 三角線維軟骨複合体損傷-橈屈で疼痛誘発
2 ド・ケルバン(de Quervain) 病-第2区画の腫脹
3 手根管症候群-ファーレンテスト陽性
4 マーデルング(Madelung)変形-手関節掌屈制限
解答
正解3(手根管症候群-ファーレンテスト陽性)
解説

手根管症候群では手関節を掌屈位に保つファーレンテストが陽性となります。他の3つは疼痛部位や制限方向が入れ替えられており、組合せとして成立しません。

手根管は手根骨と屈筋支帯で囲まれたトンネルで、正中神経と屈筋腱が通ります。手関節を強く掌屈すると管内の圧が上昇し、正中神経が圧迫されて母指から環指橈側のしびれが増強します。これを利用したのがファーレンテストで、手背同士を合わせて掌屈位を1分ほど保持し症状の誘発をみます。組合せ問題では、疾患名そのものより「痛む場所」「誘発される方向」を正確に持っておくことが得点につながります。TFCCは手関節尺側にあるので尺屈で痛み、ド・ケルバン病は母指側の第1区画の腱鞘炎、マーデルング変形は橈骨遠位の成長障害で尺骨頭が背側に突出するため背屈が制限されます。

✓ 3. 正しい
手根管症候群-ファーレンテスト陽性
手関節掌屈位の保持で手根管内圧が上昇し、正中神経支配領域のしびれが誘発されます。ティネル徴候(手根管部の叩打)と併せて確認し、母指球の萎縮や巧緻運動障害がみられる例は医師へ紹介します。
✗ 1. 誤り
三角線維軟骨複合体損傷-橈屈で疼痛誘発
TFCCは手関節の尺側にあるため、誘発されるのは橈屈ではなく尺屈です。尺屈に前腕回旋や軸圧を加えると疼痛が増強します。部位と誘発方向が一致していない組合せです。
✗ 2. 誤り
ド・ケルバン(de Quervain) 病-第2区画の腫脹
ド・ケルバン病は第1区画(長母指外転筋・短母指伸筋)の狭窄性腱鞘炎です。第2区画は長・短橈側手根伸筋が通る場所で、区画の番号が異なります。フィンケルシュタインテストで誘発されます。
✗ 4. 誤り
マーデルング(Madelung)変形-手関節掌屈制限
橈骨遠位骨端の成長障害で橈骨が掌尺側へ彎曲し、尺骨頭が背側へ突出します。その結果制限されるのは掌屈ではなく背屈で、回外も制限されます。制限方向が逆に置かれた組合せです。
ポイント
  • 手根管症候群=掌屈保持(ファーレンテスト)と手根管部の叩打(ティネル徴候)で正中神経症状が誘発される。
  • TFCC損傷=手関節尺側。尺屈・前腕回旋・軸圧で疼痛誘発。
  • ド・ケルバン病=第1区画(長母指外転筋・短母指伸筋)の狭窄性腱鞘炎。フィンケルシュタインテスト。
  • マーデルング変形=尺骨頭が背側に突出し、手関節背屈と回外が制限される。
  • 組合せ問題は「部位」と「誘発・制限の方向」を対にして押さえると入れ替えに強くなる。
比較表
疾患部位誘発・制限代表的な所見
三角線維軟骨複合体損傷手関節尺側尺屈・回旋・軸圧で疼痛尺側部痛、回旋時のクリック
ド・ケルバン病第1区画(母指側)母指を握り込んで尺屈フィンケルシュタインテスト陽性
手根管症候群手根管(正中神経)手関節掌屈保持ファーレンテスト陽性、ティネル徴候
マーデルング変形橈骨遠位骨端背屈・回外が制限尺骨頭の背側突出、銃剣状変形
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