学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ34P084

理由で解く 柔道整復師

QJ34P084 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問84
問題
下腿骨骨幹部骨折に伴う尖足位拘縮の原因で誤っているのはどれか。
選択肢
1 腓腹筋損傷
2 総腓骨神経麻痺
3 膝関節屈曲位固定
4 足関節底屈位固定
解答
正解3(膝関節屈曲位固定)
解説

尖足位拘縮は足関節が底屈位で固まった状態をいう。膝を軽度屈曲位で固定しても足関節の角度は規定されないため、3が原因として当てはまらず、これが答え。

尖足は「底屈方向へ引く力が勝つ」か「底屈位のまま動かさない」ことで完成する。下腿骨骨幹部骨折では、下腿三頭筋そのものの挫滅・血腫が瘢痕化して短縮する、背屈筋群を支配する総腓骨神経が麻痺する、足関節を底屈位で長期固定する、という3つがいずれも尖足を招く。これに対し膝関節の肢位は足関節の底背屈を決めない。腓腹筋は大腿骨顆部から起こる二関節筋なので、膝屈曲位ではむしろ緩んで足関節を背屈位に保ちやすくなる。実際、下腿骨骨幹部骨折の固定でも膝は軽度屈曲位が用いられる。予防の要は、足関節を0度(直角)付近に保つこと、固定中から足趾の自動運動を続けること、固定除去後に背屈可動域訓練を段階的に進めることである。

✓ 3. 原因として誤り(これが答え)
膝関節屈曲位固定
膝の角度は足関節の底背屈を決めない。腓腹筋は大腿骨顆部から起こる二関節筋であり、膝屈曲位では起始側が近づいて緩むため、むしろ足関節を背屈位に保ちやすくなる。下腿骨骨幹部骨折の固定でも膝軽度屈曲位が用いられ、これ自体が尖足位拘縮の原因にはならない。
✗ 1. 原因として正しい(答えではない)
腓腹筋損傷
骨折時の筋挫滅や血腫が瘢痕化すると下腿三頭筋が短縮し、足関節が底屈方向へ引かれたまま固まる。尖足位拘縮の原因になる。
✗ 2. 原因として正しい(答えではない)
総腓骨神経麻痺
前脛骨筋や長趾伸筋など背屈筋群が麻痺して下垂足となり、背屈が起こらないまま経過すると底屈位で拘縮が固定する。腓骨頭付近の圧迫でも生じるため、固定材料の当て方に配慮し、背屈力と第1趾間の感覚を毎回確認する。
✗ 4. 原因として正しい(答えではない)
足関節底屈位固定
底屈位のまま長期間動かさなければ、後方関節包・アキレス腱・後方軟部組織が短縮してそのまま拘縮する。固定は足関節0度(直角)付近を基本とする。
ポイント
  • 尖足位拘縮=足関節底屈位の拘縮。「底屈へ引く力」か「底屈位で固める」ことで生じる
  • 下腿骨骨幹部骨折の固定肢位は膝軽度屈曲位・足関節0度(直角)が基本
  • 腓腹筋は二関節筋。膝屈曲位では緩むため背屈を保ちやすく、尖足の原因にはならない
  • 総腓骨神経は腓骨頭の後外側を回る。固定時の圧迫を避け、下垂足の徴候を継続的に確認する
  • 予防策は足関節直角保持+足趾の自動運動。固定除去後は背屈可動域訓練を段階的に進める
比較表
因子尖足位拘縮の原因になるか機序
腓腹筋損傷なる瘢痕拘縮・短縮で足関節が底屈方向へ引かれる
総腓骨神経麻痺なる背屈筋群の麻痺→下垂足→底屈位のまま拘縮
足関節底屈位固定なる後方軟部組織が底屈位で短縮する
膝関節屈曲位固定ならない足関節の角度を規定しない。二関節筋である腓腹筋はむしろ緩む
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