学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ34P083

理由で解く 柔道整復師

QJ34P083 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問83
問題
骨折と症状の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 脛骨顆間隆起骨折-関節血症
2 腓骨頭単独骨折-外反動揺性
3 脛骨粗面骨折-伸展力低下
4 脛骨外顆骨折-外反変形
解答
正解2(腓骨頭単独骨折-外反動揺性)
解説

腓骨頭は膝の外側支持機構(外側側副靱帯・大腿二頭筋腱)の付着部なので、単独骨折で出るのは内反動揺性である。「外反動揺性」としている2が誤った組合せで、これが答え。

膝の動揺性は「破綻した側の関節裂隙が開く」と覚える。内側支持機構(内側側副靱帯)が破綻すれば外反ストレスで内側関節裂隙が開き外反動揺性となり、外側支持機構(外側側副靱帯・大腿二頭筋腱・腸脛靱帯)が破綻すれば内反ストレスで外側関節裂隙が開いて内反動揺性となる。腓骨頭は外側側副靱帯と大腿二頭筋腱がまとまって停止する部位であり、その骨折は外側支持機構の破綻を意味するため、生じるのは内反動揺性である。あわせて、腓骨頭のすぐ後外側を総腓骨神経が回り込むため、腓骨頭骨折では足関節背屈と第1趾間の感覚を必ず確認し、麻痺を疑えば医療機関へつなぐ。

✓ 2. 誤っている組合せ(これが答え)
腓骨頭単独骨折-外反動揺性
腓骨頭は外側側副靱帯と大腿二頭筋腱の付着部であり、その骨折は外側支持機構の破綻を意味する。開くのは外側なので、生じるのは内反動揺性。外反動揺性は内側側副靱帯が破綻したときの所見で、組合せが逆になっている。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
脛骨顆間隆起骨折-関節血症
顆間隆起は前十字靱帯の脛骨側付着部で、ここの骨折は関節内骨折となる。関節内で出血するため、受傷後まもなく膝が張ってくる関節血症をきたす。組合せとして妥当。
✗ 3. 正しい組合せ(答えではない)
脛骨粗面骨折-伸展力低下
脛骨粗面は膝蓋腱の停止部。ここが折れると大腿四頭筋の収縮力が脛骨に伝わらなくなり、膝伸展力の低下や下肢伸展挙上(SLR)困難が現れる。組合せとして妥当。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
脛骨外顆骨折-外反変形
外反力によって大腿骨外顆が脛骨外側部を打ち抜くように作用して生じ、外側関節面が陥没する。支柱を失った外側が沈み込むため外反(X脚様)変形となる。組合せとして妥当。
ポイント
  • 動揺性は「壊れた側が開く」。内側破綻→内側関節裂隙が開く=外反動揺性、外側破綻→外側関節裂隙が開く=内反動揺性
  • 腓骨頭=外側側副靱帯+大腿二頭筋腱の付着部。腓骨頭骨折では総腓骨神経麻痺(下垂足・第1趾間の感覚低下)を毎回確認する
  • 顆間隆起=前十字靱帯の付着部。関節内骨折なので関節血症を伴う
  • 脛骨粗面=膝蓋腱の停止部。伸展機構の破綻としてSLR不能・膝伸展力低下が出る
  • 脛骨外顆(外側プラトー)骨折は関節面が陥没して外反変形。関節内骨折なので画像評価のため医療機関へ紹介する
比較表
骨折部位付着する主な組織出やすい所見
脛骨顆間隆起前十字靱帯関節血症(関節内骨折)、前方不安定性
腓骨頭外側側副靱帯・大腿二頭筋腱内反動揺性(外側関節裂隙が開く)、総腓骨神経麻痺
脛骨粗面膝蓋腱膝伸展力低下、SLR不能
脛骨外顆(外側プラトー)外側関節面関節面の陥没、外反変形
(参考)内側側副靱帯損傷内側支持機構外反動揺性(内側関節裂隙が開く)
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