学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ34P072

理由で解く 柔道整復師

QJ34P072 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問72
問題
頭蓋底骨折と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 前頭蓋底骨折-ブラックアイ
2 後頭蓋底骨折 ー・ーバトル徴候
3 中頭蓋底骨折-カーテン徴候
4 前頭蓋底骨折-口蓋垂の健側偏位
解答
正解1(前頭蓋底骨折-ブラックアイ)
解説

前頭蓋底骨折ではブラックアイ(眼窩周囲の皮下出血斑)がみられる。骨折部位ごとに現れる徴候が決まっているため、部位と徴候の対応で解く問題である。

頭蓋底骨折の徴候は、出血や髄液がどこへ抜けるか、どの脳神経が通る部位が壊れるかで決まる。前頭蓋底が折れると眼窩の天井側から出血が眼窩内へ回り、両眼の周囲が眼鏡状に青黒くなる。これがブラックアイ(パンダの目徴候)で、篩板が壊れれば髄液鼻漏や嗅覚脱失も伴う。中頭蓋底(錐体骨)では鼓室・外耳道側へ抜けて髄液耳漏や鼓室内出血が起こり、乳様突起部の皮下出血斑(バトル徴候)が数日遅れて現れる。後頭蓋底では頸静脈孔を通る舌咽神経・迷走神経・副神経が障害され、嚥下障害や嗄声、軟口蓋が健側へ引き上げられるカーテン徴候、口蓋垂の健側偏位が生じる。いずれも頭蓋内損傷を伴う重篤な外傷であり、鼻や耳からの流出液を止めたり詰めたりせず、頭部を安静に保って直ちに救急搬送する。

✓ 1. 正しい
前頭蓋底骨折-ブラックアイ
前頭蓋底が折れると出血が眼窩内に回り、両眼周囲が眼鏡状に変色するブラックアイ(パンダの目徴候)を呈する。髄液鼻漏や嗅覚脱失を伴うこともある。
✗ 2. 誤り
後頭蓋底骨折 ー・ーバトル徴候
バトル徴候(乳様突起部の皮下出血斑)は中頭蓋底、なかでも錐体骨の骨折で現れる。後頭蓋底との組合せは合わない。
✗ 3. 誤り
中頭蓋底骨折-カーテン徴候
カーテン徴候は舌咽神経・迷走神経の障害で軟口蓋が健側へ引かれる所見で、これらの神経が通る頸静脈孔を含む後頭蓋底の骨折で生じる。
✗ 4. 誤り
前頭蓋底骨折-口蓋垂の健側偏位
口蓋垂の健側偏位も迷走神経麻痺による所見であり、後頭蓋底骨折に対応する。前頭蓋底との組合せは合わない。
ポイント
  • 前頭蓋底:ブラックアイ(パンダの目)、髄液鼻漏、嗅覚脱失。
  • 中頭蓋底(錐体骨):バトル徴候、髄液耳漏、鼓室内出血、顔面神経麻痺。
  • 後頭蓋底:頸静脈孔を通る舌咽・迷走・副神経の障害でカーテン徴候、口蓋垂の健側偏位、嗄声、嚥下障害。
  • 「目の周り=前」「耳の後ろ=中」「のど・飲み込み=後」と場所で結びつけると迷いにくい。
  • 鼻漏・耳漏は圧迫や詰め物をせず流出させたまま、頭部を安静にして直ちに救急搬送する。
比較表
骨折部位代表的な徴候成り立ち
前頭蓋底ブラックアイ、髄液鼻漏、嗅覚脱失出血・髄液が眼窩と鼻腔側へ抜ける
中頭蓋底(錐体骨)バトル徴候、髄液耳漏、鼓室内出血出血・髄液が鼓室・外耳道側へ抜ける
後頭蓋底カーテン徴候、口蓋垂の健側偏位、嗄声頸静脈孔の舌咽・迷走・副神経が障害される
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