学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ34P071

理由で解く 柔道整復師

QJ34P071 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問71
問題
全身関節弛緩性テストで陽性所見はどれか。
選択肢
1 膝を伸ばして身体を前屈して指先が床に届く。
2 踵をつけてつま先が120度以上開く。
3 足関節が 20度以上背屈する。
4 背臥位で膝が10度以上反張する。
解答
正解4(背臥位で膝が10度以上反張する。)
解説

全身関節弛緩性テストで陽性となるのは、背臥位で膝が 10 度以上反張する所見である。他の 3 つはいずれも判定の基準値に届いていない。

全身関節弛緩性テストは、手関節・肘・肩・股・膝・足・脊柱の 7 部位の可動性をそれぞれ決められた基準で判定し、陽性部位の数を数えて全身の関節のゆるさを評価するものである。反復性肩関節脱臼、膝蓋骨脱臼、足関節捻挫の反復などでは、局所の外傷歴だけでなく、この全身的な素因が背景にあることが少なくないため、再発予防の指導方針を立てるうえで手掛かりになる。この問いのポイントは基準値を数字で覚えているかどうかにある。肘は 15 度以上の過伸展、膝は 10 度以上の反張(過伸展)、足関節は 45 度以上の背屈、股関節は両踵をつけて開排したときつま先のなす角が 180 度以上、脊柱は前屈で手掌が床につくこと、と数字と到達点をセットで押さえておく。とくに肘と膝はどちらも過伸展の角度で判定するが基準値が違う(肘 15 度/膝 10 度)ので、ここを取り違えないことが得点の分かれ目になる。陽性部位が多い患者には、可動域を広げる方向ではなく、関節周囲筋による動的な安定化を高める運動を組み立てる。

✓ 4. 正しい
背臥位で膝が10度以上反張する。
膝の判定基準はまさに 10 度以上の過伸展(反張)であり、これを満たすので陽性となる。膝の反張は膝蓋骨脱臼や靱帯損傷の背景因子にもなる。
✗ 1. 誤り
膝を伸ばして身体を前屈して指先が床に届く。
脊柱の判定基準は手掌が床につくことである。指先が届く程度では基準に達しておらず、陽性としない。
✗ 2. 誤り
踵をつけてつま先が120度以上開く。
これは股関節の項目である。両踵をつけて開排し、つま先のなす角が 180 度以上となったときに陽性とする。120 度では基準に届かず、陽性としない。
✗ 3. 誤り
足関節が 20度以上背屈する。
足関節の判定基準は 45 度以上の背屈である。20 度は通常の可動域の範囲内であり、弛緩性ありとは判定しない。
ポイント
  • 全身関節弛緩性テストは手関節・肘・肩・股・膝・足・脊柱の 7 部位を決められた基準で判定し、陽性部位の数で全身のゆるさを評価する。
  • 肘は 15 度以上、膝は 10 度以上の過伸展で陽性。どちらも過伸展で判定するが数値が異なるので混同しない(肘 15 度/膝 10 度)。
  • 足関節は 45 度以上の背屈で陽性。20 度程度は正常可動域。
  • 股関節は両踵をつけて開排し、つま先のなす角が 180 度以上で陽性。120 度では基準未満。
  • 脊柱は前屈で「手掌が床につく」ことが基準。「指先が届く」では足りない。
  • 陽性部位が多い患者には、可動域を伸ばす方向ではなく関節周囲筋による安定化訓練を優先する。
比較表
部位陽性とする基準選択肢との対応
手関節母指が前腕掌側(屈側)に接する
15 度以上の過伸展―(膝の 10 度と取り違えない)
背中で両手の指が組める
股関節両踵をつけて開排し、つま先が 180 度以上開く選択肢 2 は 120 度 → 基準未満
10 度以上の反張(過伸展)選択肢 4 は基準を満たす → 陽性
足関節45 度以上の背屈選択肢 3 は 20 度 → 基準未満
脊柱前屈で手掌が床につく選択肢 1 は指先のみ → 基準未満
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