学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §13 頭部・顔面部外傷(救急法) / QJ34P054
理由で解く 柔道整復師
アルコール多飲者に多いのは慢性硬膜下血腫である。脳萎縮に加え、転倒など軽微な頭部外傷を繰り返すこと、肝障害による凝固能低下が重なって起こりやすい。
慢性硬膜下血腫は、軽微な頭部外傷から約3週間〜数か月かけて硬膜下に被膜をもつ血腫が緩徐に増大する病態で、高齢者・男性・アルコール多飲者・抗凝固薬使用者に多い。脳が萎縮していると硬膜と脳表を結ぶ架橋静脈が引き伸ばされてわずかな衝撃でも切れやすく、さらに脳と頭蓋の間に余裕があるため、血腫が溜まっても症状が出るまで時間がかかる。症状は頭痛、意欲低下、認知症様症状、片麻痺、歩行障害で、認知症や脳血管障害と間違われやすいが、穿頭血腫ドレナージで著明に改善する「治せる認知症」として重要である。本人が外傷を覚えていないことも多いので、数週間単位でのもの忘れや歩行の変化に気づいたら、家族から経過を聞き取り、速やかに医療機関の画像検査につなげる。
| 急性硬膜外血腫 | 急性硬膜下血腫 | 慢性硬膜下血腫 | |
|---|---|---|---|
| 主な出血源 | 中硬膜動脈(側頭骨骨折を伴う) | 架橋静脈の断裂、脳挫傷 | 架橋静脈からの緩徐な出血 |
| 経過 | 受傷後数時間、意識清明期あり | 受傷直後から意識障害 | 3週間〜数か月かけて緩徐に進行 |
| CT所見 | 凸レンズ型 | 三日月型 | 三日月型(被膜を伴う) |
| 背景 | 比較的若年、側頭部打撲 | 強い外力 | 高齢、アルコール多飲、抗凝固薬、軽微な外傷 |
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