学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §8 手術 / QJ34P050

理由で解く 柔道整復師

QJ34P050 外科学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問50
問題
手術で正しいのはどれか。
選択肢
1 皮膚切開はランゲル皮膚割線と平行して行う。
2 開腹手術は日帰りで行う。
3 姑息的手術は完全治癒を目指す手術である。
4 感染創には一次縫合を行う。
解答
正解1(皮膚切開はランゲル皮膚割線と平行して行う。)
解説

皮膚切開はランゲル皮膚割線に平行に置くのが原則である。割線に沿えば創にかかる張力が小さく、離開しにくく瘢痕も目立ちにくい。

ランゲル線(皮膚割線)は真皮のコラーゲン線維の走行に対応した皮膚の緊張方向で、これに平行な切開では創縁が自然に寄り合う。直交して切ると創を開こうとする力が常に働き、創離開や肥厚性瘢痕・ケロイドの原因になる。関節部では屈曲線に沿わせ、瘢痕拘縮による可動域制限を避ける。手術は目的でも分類され、病巣を完全に切除して治癒を目指すのが根治手術、治癒は望めなくても症状を和らげるのが姑息(緩和)手術で、消化管バイパスや人工肛門造設が代表である。

✓ 1. 正しい
皮膚切開はランゲル皮膚割線と平行して行う。
割線に平行に切ると創縁にかかる張力が最小になり、治癒が良く瘢痕も目立ちにくい。整容と機能の両面から手術の基本原則とされる。
✗ 2. 誤り
開腹手術は日帰りで行う。
日帰り手術の対象は鼠径ヘルニアや下肢静脈瘤など侵襲が小さく合併症の少ない術式である。開腹手術は全身麻酔と術後の疼痛・出血・イレウス管理が必要なため入院で行う。
✗ 3. 誤り
姑息的手術は完全治癒を目指す手術である。
完全治癒を目指すのは根治手術。姑息的手術は病巣を取りきれない状況で、通過障害・疼痛・出血などの症状を緩和し生活の質を保つために行う。
✗ 4. 誤り
感染創には一次縫合を行う。
感染創をそのまま閉じると膿が閉じ込められ膿瘍化する。十分な洗浄とデブリドマンを行って開放創として管理し(二次治癒)、感染が鎮まってから遅延一次縫合を検討する。
ポイント
  • 皮膚切開はランゲル線(皮膚割線)に平行に。関節部では屈曲線に沿わせて拘縮を防ぐ。
  • 割線に直交する切開は創離開・肥厚性瘢痕・ケロイドを招きやすい。
  • 根治手術=完全切除で治癒を目指す。姑息(緩和)手術=症状の緩和が目的(バイパス術、人工肛門造設など)。
  • 創閉鎖は創の状態で選ぶ。清潔な新鮮創は一次縫合、汚染創は遅延一次縫合、感染創・組織欠損は開放して二次治癒。
  • 感染創ではまず洗浄とデブリドマン、ドレナージを行い、閉じるのは感染が制御できてから。
比較表
創閉鎖の方法対象となる創やり方
一次縫合清潔な新鮮創受傷後早期に洗浄して直ちに縫合する
遅延一次縫合汚染創、受傷から時間が経った創数日開放管理し、感染がないことを確認してから縫合
二次治癒(開放管理)感染創、組織欠損のある創縫合せず洗浄・デブリドマンを続け、肉芽と上皮化で治す
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