学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ34P047

理由で解く 柔道整復師

QJ34P047 外科学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問47
問題
院内感染で正しいのはどれか。
選択肢
1 術後呼吸器感染の原因菌は大腸菌が多い。
2 手術中の感染は含まない。
3 患者の皮膚に常在する菌による感染は外因性感染と呼ぶ。
4 医療従事者が感染した場合も含まれる。
解答
正解4(医療従事者が感染した場合も含まれる。)
解説

院内感染(医療関連感染)は医療施設内で新たに起こる感染すべてを指し、対象は入院患者に限らない。医療従事者が院内で感染した場合も院内感染に含まれる。

一般に、入院後おおむね48〜72時間以降に発症した、入院時の原疾患とは別の感染を院内感染という。針刺し事故によるB型・C型肝炎、職員間での結核やインフルエンザの伝播が典型例で、患者・医療従事者・面会者のいずれも当事者になりうる。原因菌が患者自身の常在菌であれば内因性感染、他の患者・医療者の手指・器具・環境など外部から来れば外因性感染と呼ぶ。手術中の術野汚染による手術部位感染も、医療行為に関連した感染として院内感染に含まれる。対策は標準予防策(手指衛生と個人防護具)を全員に行い、経路別予防策を加えること、職員側はワクチン接種とリキャップをしない針の取り扱いを徹底することである。

✓ 4. 正しい
医療従事者が感染した場合も含まれる。
院内感染は「誰が感染したか」ではなく「医療施設内で新たに感染したか」で決まる。職業感染(針刺しによる血液媒介感染、結核曝露など)も院内感染として管理・報告の対象になる。
✗ 1. 誤り
術後呼吸器感染の原因菌は大腸菌が多い。
術後肺炎や人工呼吸器関連肺炎で多いのは緑膿菌、黄色ブドウ球菌(MRSA)、肺炎桿菌などである。大腸菌が主役になるのはカテーテル関連を含む尿路感染で、部位ごとに起炎菌が違う。
✗ 2. 誤り
手術中の感染は含まない。
手術中に術野が汚染されて生じる手術部位感染は、医療行為に伴って院内で成立した感染であり院内感染に含まれる。だからこそ術前の除毛・皮膚消毒、予防的抗菌薬、清潔操作が重視される。
✗ 3. 誤り
患者の皮膚に常在する菌による感染は外因性感染と呼ぶ。
患者自身がもともと持っている菌が起こす感染は内因性感染である。外因性感染は、他の患者・医療者の手指・医療器具・環境水などの外部から菌が持ち込まれて起こるものを指す。
ポイント
  • 院内感染=医療施設内で新たに成立した感染。患者だけでなく医療従事者・面会者も対象になる。
  • 目安は入院後48〜72時間以降の発症。手術部位感染など手術中に成立した感染も含む。
  • 内因性感染は自分の常在菌、外因性感染は外部から持ち込まれた菌。区別は「菌の出どころ」。
  • 部位別の主な起炎菌は、呼吸器=緑膿菌・MRSA・肺炎桿菌、尿路=大腸菌、カテーテル関連血流感染=表皮ブドウ球菌など。
  • 基本対策は全患者に対する標準予防策(手指衛生・手袋・マスク)。職員は肝炎ワクチンと安全な針処理を実行する。
比較表
内因性感染外因性感染
菌の由来患者自身の常在菌(皮膚・腸内・口腔)他の患者、医療者の手指、器具、環境
起こりやすい状況手術・免疫抑制・抗菌薬による菌交代不十分な手指衛生、器材の汚染、飛沫・空気感染
皮膚常在菌による術後創感染、腸内細菌の移行MRSA・緑膿菌の伝播、結核、インフルエンザ
主な対策術前皮膚消毒、栄養・血糖管理、適正な抗菌薬使用手指衛生、経路別予防策、器材の洗浄・滅菌
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