学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ34P041

理由で解く 柔道整復師

QJ34P041 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問41
問題
疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 ベーチェット(Behçet)病-筋痛
2 関節リウマチ-外陰部潰瘍
3 多発性筋炎ーー皮膚硬化
4 強皮症-嚥下障害
解答
正解4(強皮症-嚥下障害)
解説

強皮症では食道の平滑筋が線維化して蠕動が低下するため、嚥下障害を生じる。疾患と症状の組合せとして正しいのはこの組である。

膠原病の症状は「どの臓器のどの組織が主戦場になるか」で決まると考えると整理しやすい。強皮症は皮膚と内臓の線維化を本態とし、手指から始まる皮膚硬化、レイノー現象、指尖部潰瘍に加えて、食道(とくに下部の平滑筋層)の線維化により蠕動が弱まるため、つかえ感や胸やけ、逆流を伴う嚥下障害が高頻度でみられる。肺線維症や腎クリーゼも重要な内臓病変である。これに対しベーチェット病は口腔内アフタ性潰瘍・外陰部潰瘍・ぶどう膜炎・結節性紅斑を四主徴とする全身の炎症性疾患、関節リウマチは滑膜炎による朝のこわばりと手指を中心とした対称性多関節炎、多発性筋炎は体幹に近い近位筋の筋力低下と筋痛を主体とする。強皮症の患者に接するときは、逆流を避けるため食後すぐに強い前屈位や臥位をとらせない、レイノー現象に配慮して手指と全身を保温する、といった配慮を行い、嚥下時のむせや体重減少があれば主治医への報告を促す。

✓ 4. 正しい
強皮症-嚥下障害
食道の平滑筋が線維化して蠕動が低下し、つかえ感や逆流を伴う嚥下障害を生じる。皮膚硬化・レイノー現象とともに強皮症の代表的所見であり、疾患と症状の対応として正しい。
✗ 1. 誤り
ベーチェット(Behçet)病-筋痛
ベーチェット病の四主徴は口腔内アフタ性潰瘍・外陰部潰瘍・ぶどう膜炎・結節性紅斑であり、筋痛は主症状ではない。この疾患に結びつくのは、選択肢2に置かれている外陰部潰瘍のほうである。
✗ 2. 誤り
関節リウマチ-外陰部潰瘍
外陰部潰瘍はベーチェット病の症状である。関節リウマチの主戦場は滑膜で、朝のこわばりと手指MCP・PIP関節や手関節の対称性多関節炎、進行すると尺側偏位やスワンネック変形が特徴となる。
✗ 3. 誤り
多発性筋炎ーー 皮膚硬化
皮膚硬化は強皮症の所見である。多発性筋炎は骨格筋の炎症が本体で、近位筋の筋力低下・筋痛とCK上昇が中心。ヘリオトロープ疹やゴットロン徴候といった皮膚症状を伴う場合は皮膚筋炎と呼ぶが、いずれも皮膚が硬くなる病態ではない。
ポイント
  • 強皮症=皮膚と内臓の線維化。皮膚硬化、レイノー現象、食道蠕動低下による嚥下障害、肺線維症、腎クリーゼ。
  • ベーチェット病=口腔内アフタ性潰瘍・外陰部潰瘍・ぶどう膜炎・結節性紅斑の四主徴。
  • 関節リウマチ=滑膜炎。朝のこわばり、手指と手関節の対称性多関節炎、尺側偏位・スワンネック変形。
  • 多発性筋炎=骨格筋の炎症。近位筋の筋力低下と筋痛、CK上昇。皮膚症状を伴えば皮膚筋炎。
  • 組合せ問題は「その疾患の主戦場となる組織」を思い出してから症状を当てはめると、選択肢間の入れ替えに惑わされない。
比較表
疾患主に侵される組織代表的な症状
強皮症皮膚・内臓の結合組織(線維化)皮膚硬化、レイノー現象、嚥下障害、肺線維症
ベーチェット病全身の血管・粘膜口腔内アフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、ぶどう膜炎、結節性紅斑
関節リウマチ滑膜朝のこわばり、対称性多関節炎、関節変形
多発性筋炎骨格筋近位筋の筋力低下、筋痛、CK上昇
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