学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ34P039

理由で解く 柔道整復師

QJ34P039 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問39
問題
慢性骨髄性白血病の原因はどれか。
選択肢
1 代謝異常
2 免疫異常
3 遺伝子異常
4 ウイルス感染
解答
正解3(遺伝子異常)
解説

慢性骨髄性白血病は、染色体の転座によって生じた融合遺伝子が原因で起こる造血幹細胞の腫瘍性疾患である。すなわち遺伝子異常が原因である。

この病気では、9番染色体と22番染色体の間で相互転座 t(9;22) が起こり、短くなった22番染色体(フィラデルフィア染色体)上にBCR-ABL1融合遺伝子が形成される。この遺伝子がつくるタンパクは、本来は必要なときだけ働くチロシンキナーゼが常時活性化した状態になっており、増殖のシグナルが出しっぱなしになる。その結果、顆粒球系を中心に成熟段階のさまざまな細胞が骨髄で過剰に増え、末梢血の著しい白血球増加と脾腫を生じる。慢性期は無症状か倦怠感・腹部膨満感程度だが、放置すると移行期を経て急性転化し急性白血病様の経過をたどる。BCR-ABL1というはっきりした標的があるため、これを阻害するチロシンキナーゼ阻害薬が治療の中心となり、予後は大きく改善した。「原因遺伝子が分かっている=分子標的薬が効く」という組み立てで理解しておくとよい。

✓ 3. 正しい
遺伝子異常
t(9;22) 転座によるフィラデルフィア染色体とBCR-ABL1融合遺伝子が原因である。生じたチロシンキナーゼの恒常的活性化が造血細胞を無秩序に増殖させる。
✗ 1. 誤り
代謝異常
酵素欠損などによる代謝性疾患(糖原病、フェニルケトン尿症など)の枠組みであり、白血病の発症機序ではない。
✗ 2. 誤り
免疫異常
自己免疫疾患や免疫不全の機序である。白血病では免疫機能の低下は結果として起こるが、原因ではない。
✗ 4. 誤り
ウイルス感染
成人T細胞白血病(HTLV-1)やバーキットリンパ腫(EBV)などではウイルスが関与するが、慢性骨髄性白血病はウイルス感染によるものではない。
ポイント
  • 慢性骨髄性白血病=t(9;22) 転座 → フィラデルフィア染色体 → BCR-ABL1融合遺伝子。
  • BCR-ABL1のチロシンキナーゼが常時活性化し、顆粒球系細胞が無秩序に増殖する。
  • 所見は著明な白血球増加、幼若〜成熟の各段階の顆粒球出現、脾腫、好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコア低下。
  • 慢性期 → 移行期 → 急性転化と進行する。
  • チロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブなど)が有効で、分子標的治療の代表例。
比較表
疾患主な原因
慢性骨髄性白血病遺伝子異常(BCR-ABL1融合遺伝子)
成人T細胞白血病ウイルス感染(HTLV-1)
バーキットリンパ腫ウイルス感染(EBV)の関与
自己免疫性溶血性貧血免疫異常(自己抗体)
痛風代謝異常(尿酸の産生過剰・排泄低下)
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