学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ34P038

理由で解く 柔道整復師

QJ34P038 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問38
問題
鉄欠乏性貧血に特徴的なのはどれか。
選択肢
1 異食症
2 振動覚異常
3 舌乳頭萎縮
4 皮下・粘膜出血
解答
正解1(異食症)
解説

鉄欠乏性貧血では、氷や土など栄養価のないものを無性に食べたくなる異食症(氷食症)がみられ、鉄欠乏に特徴的な症候とされる。

鉄はヘモグロビンの材料であると同時に、多くの酵素の補因子として全身の細胞で使われている。鉄が不足すると小球性低色素性貧血となり、易疲労感・動悸・息切れといった貧血一般の症状に加え、鉄に依存する組織の症状が現れる。爪がスプーン状に反り返る匙状爪(スプーンネイル)、口角炎、舌炎、そして食道の粘膜変化を伴うプランマー・ヴィンソン症候群(鉄欠乏性貧血・舌炎・嚥下障害)が代表である。異食症はこの中でも鉄欠乏に強く結びつく症候で、氷を大量に食べたがる氷食症として現れることが多く、鉄の補充で消失する。原因としては、女性では月経過多や妊娠、男性や閉経後女性では消化管出血が重要で、貧血の背後に消化管疾患が隠れていないかを確かめる必要がある。

✓ 1. 正しい
異食症
氷や土など栄養にならないものを強く欲する症候で、鉄欠乏に伴って現れ鉄の補充で改善する。他の貧血ではみられにくく、鉄欠乏性貧血に特徴的とされる。
✗ 2. 誤り
振動覚異常
深部感覚の障害はビタミンB₁₂欠乏による亜急性連合性脊髄変性症(後索・側索の変性)でみられる。鉄欠乏では神経障害は生じない。
✗ 3. 誤り
舌乳頭萎縮
鉄欠乏性貧血でも舌炎として生じうるが、ビタミンB₁₂欠乏(ハンター舌炎)や葉酸欠乏でも同様に起こる。鉄欠乏だけを指し示す所見ではないため、本問で「特徴的」とするには弱い。
✗ 4. 誤り
皮下・粘膜出血
血小板減少や血管・凝固の異常を示す所見で、特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、白血病などでみられる。赤血球の材料不足である鉄欠乏では起こらない。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血に特徴的な症候=異食症(氷食症)、匙状爪(スプーンネイル)。
  • プランマー・ヴィンソン症候群=鉄欠乏性貧血+舌炎+嚥下障害。
  • 血液像は小球性低色素性貧血。血清鉄・フェリチン低下、総鉄結合能(TIBC)上昇。
  • ビタミンB₁₂欠乏は大球性貧血+深部感覚障害(振動覚・位置覚低下)。鉄欠乏に神経症状はない。
  • 原因検索が重要。女性は月経過多、男性・閉経後女性は消化管出血を念頭に置く。
比較表
項目鉄欠乏性貧血ビタミンB₁₂欠乏性貧血
赤血球の大きさ小球性低色素性大球性正色素性
特徴的な症候異食症、匙状爪、口角炎ハンター舌炎、深部感覚障害、歩行失調
神経症状なしあり(亜急性連合性脊髄変性症)
血清鉄・フェリチン低下正常〜上昇
主な原因月経過多、消化管出血、鉄摂取不足胃切除後、悪性貧血(内因子欠乏)
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