学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ34P025
理由で解く 柔道整復師
重症のうっ血性心不全では、横になると呼吸困難が強まり、上体を起こすと楽になる。この起坐呼吸のためにとる姿勢が起坐位である。
仰臥位になると、下肢や腹部にたまっていた血液が心臓へ戻りやすくなって静脈還流が増え、さらに腹部臓器に押し上げられて横隔膜が挙上する。左心のポンプ機能が落ちている心不全では増えた還流をさばききれず、肺静脈圧が上がって肺うっ血・肺水腫が悪化するため、呼吸困難が強まる。上体を起こすと重力で下半身に血液がとどまって静脈還流が減り、横隔膜も下がって肺が広がりやすくなるので症状が和らぐ。この体位を患者自身が選び取る状態が起坐呼吸で、就寝後しばらくして呼吸困難で目が覚める発作性夜間呼吸困難とともに、左心不全の代表的な症候である。施術中にこうした訴えが出たら臥位での施術をいったんやめ、起坐位のまま安静を保ち、呼吸数・脈拍・顔色・冷汗を確かめながら速やかに医療機関受診または救急要請につなげる。
| 姿勢 | 代表的な疾患・病態 | その姿勢になる理由 |
|---|---|---|
| 起坐位(起坐呼吸) | 重症うっ血性心不全、気管支喘息発作 | 静脈還流が減り横隔膜が下降して呼吸が楽になる |
| 仰臥位 | 安静時の一般的な体位 | 心不全では肺うっ血が悪化するため避けられる |
| エビ姿勢(側臥位で股関節・膝関節を屈曲、頸部はやや後屈) | 髄膜炎 | 下肢を屈曲して髄膜・神経根の伸展を避ける(頸部の前屈は項部硬直のため抵抗と疼痛を生じ、とれない) |
| 前かがみ(胸膝位) | 急性膵炎など腹腔内の激痛 | 前かがみになると上腹部痛が和らぐ |
| 後弓反張 | 破傷風、重症髄膜炎 | 伸筋の持続収縮による強直(自ら選ぶ体位ではない) |
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