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理由で解く 柔道整復師

QJ34P004 衛生学・公衆衛生学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問4
問題
児童虐待を疑ったときの通告先はどれか。
選択肢
1 教育委員会
2 児童相談所
3 地域包括支援センター
4 女性相談支援センター
解答
正解2(児童相談所)
解説

児童虐待を疑ったときは、児童虐待の防止等に関する法律第6条に基づき児童相談所(または市町村・都道府県の設置する福祉事務所)へ通告する。確証がなくても「疑い」の段階で通告してよい点が制度の要である。

同法第6条は「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに通告しなければならない」と定めており、この義務は医療者に限らず国民全体に課されている。通告した結果として虐待でなかったとしても責任は問われず、刑法の秘密漏示罪や各資格法上の守秘義務にも抵触しないことが明記されている(同条第3項)。柔道整復の現場でも、説明される受傷機転と損傷の形が合わない、受傷時期の異なる複数の損傷が同時にある、保護者と子どもの説明が食い違う、といった場面に出会いうる。そのときは一人で判断を抱え込まず、部位・大きさ・色調・本人の発言などを客観的に記録したうえで、児童相談所または市町村へ速やかに連絡する。判断に迷う段階でも児童相談所全国共通ダイヤル「189」で相談でき、生命に危険が及ぶ切迫した状況では110番も併せて用いる。

✗ 1. 誤り
教育委員会
学校の設置・管理や教職員人事など教育行政を担う機関である。学校が虐待に気づいた場合も法定の通告先は児童相談所・市町村であり、教育委員会はその通告先には位置づけられていない。
✓ 2. 正しい
児童相談所
児童福祉法に基づき都道府県・指定都市等が設置する専門機関で、通告の受理、調査・アセスメント、一時保護、施設入所措置までを一貫して担う。児童虐待防止法が定める法定の通告先であり、緊急性の判断と保護の権限をもつ点が他の窓口と決定的に異なる。
✗ 3. 誤り
地域包括支援センター
介護保険法に基づき市町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、高齢者虐待への対応も担当する。対象が高齢者であり、児童虐待の通告先ではない。「虐待の相談窓口」という共通点で混同しやすいので、対象年齢で区別する。
✗ 4. 誤り
女性相談支援センター
困難な問題を抱える女性への支援に関する法律に基づき都道府県が設置する機関(旧・婦人相談所)で、配偶者暴力相談支援センターの機能も担う。女性への支援が目的であり、児童虐待の法定通告先には含まれない。
ポイント
  • 通告先は児童相談所、市町村、都道府県の設置する福祉事務所(児童虐待防止法第6条)
  • 「虐待を受けたと思われる」段階で通告してよい。確証は不要で、結果的に虐待でなくても責任は問われない
  • 通告義務は国民全体に課され、守秘義務違反にはあたらない
  • 児童相談所全国共通ダイヤル189。生命の危険が切迫する場面では110番も併用する
  • 高齢者虐待は地域包括支援センター・市町村、障害者虐待は市町村と、対象ごとに窓口が異なる
  • 施術録には受傷機転の説明と所見の食い違い、部位・大きさ・色調を客観的に記載しておく
比較表
機関根拠法主な対象・役割
児童相談所児童福祉法/児童虐待防止法18歳未満の児童。通告受理・調査・一時保護・措置
教育委員会地方教育行政の組織及び運営に関する法律学校の設置・管理などの教育行政
地域包括支援センター介護保険法高齢者の総合相談、高齢者虐待への対応
女性相談支援センター困難な問題を抱える女性への支援に関する法律困難を抱える女性の相談・一時保護、DV対応
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