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理由で解く 柔道整復師

QJ34P005 衛生学・公衆衛生学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問5
問題
産業保健で正しいのはどれか。
選択肢
1 産業保健行政の第一線機関は保健所である。
2 産業保健の3管理のひとつに作業環境管理がある。
3 産業医は事業場における特殊健康診断を実施する義務がある。
4 労働者の安全と健康の確保は労働基準法に規定されている。
解答
正解2(産業保健の3管理のひとつに作業環境管理がある。)
解説

労働衛生の3管理は作業環境管理・作業管理・健康管理であり、2が正しい。産業保健の根拠法は労働安全衛生法、行政の第一線機関は労働基準監督署である。

3管理は単なる分類ではなく、対策の優先順位そのものを表している。まず有害要因を発生源で断つ(作業環境管理)、次にばく露の受け方を変える(作業管理)、そのうえで人の側に生じた変化を早期にとらえる(健康管理)という順である。これに総括管理と労働衛生教育を加えて5管理と呼ぶ。行政の系統は厚生労働省—都道府県労働局—労働基準監督署であり、地域保健法に基づく保健所の系統とは別立てになっている。労働安全衛生法は1972年に労働基準法から分離独立した法律で、安全衛生管理体制の整備、健康診断の実施、作業環境測定などを事業者の義務として定める。常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医・衛生管理者の選任と衛生委員会の設置が必要となる。腰痛や頸肩腕障害で来院する患者に対しては、施術に加えて作業姿勢や運搬方法など作業環境管理・作業管理の視点から助言できると再発予防につながる。

✗ 1. 誤り
産業保健行政の第一線機関は保健所である。
産業保健行政の第一線機関は労働基準監督署である。保健所は地域保健法に基づく地域保健の第一線機関であり、系統も所管も異なる。「地域保健=保健所、労働衛生=労働基準監督署」と対で押さえる。
✓ 2. 正しい
産業保健の3管理のひとつに作業環境管理がある。
3管理は作業環境管理・作業管理・健康管理。作業環境管理は局所排気装置の設置、有害物質のより安全な物質への代替、作業環境測定と評価など、発生源側に働きかける対策を指し、3つのなかで最も優先される。
✗ 3. 誤り
産業医は事業場における特殊健康診断を実施する義務がある。
特殊健康診断を含む健康診断の実施義務は、労働安全衛生法第66条により事業者に課されている。産業医は選任された立場から健康管理等について事業者に勧告・指導・助言を行い、実施に関与するが、義務の主体は事業者である。
✗ 4. 誤り
労働者の安全と健康の確保は労働基準法に規定されている。
労働者の安全と健康の確保を定めるのは労働安全衛生法である。労働基準法は労働時間、賃金、休日、年次有給休暇など労働条件の最低基準を定める法律で、安全衛生に関する部分は1972年に労働安全衛生法として分離された。
ポイント
  • 労働衛生の3管理=作業環境管理・作業管理・健康管理(+総括管理・労働衛生教育で5管理)
  • 対策の優先順位は発生源→ばく露経路・作業方法→人、の順
  • 根拠法は労働安全衛生法(1972年に労働基準法から分離)。労働基準法は労働条件の最低基準を定める
  • 行政系統は厚生労働省—都道府県労働局—労働基準監督署。保健所は地域保健の第一線機関で別系統
  • 常時50人以上の事業場では産業医・衛生管理者の選任、衛生委員会の設置が必要
  • 労働衛生教育=雇入れ時教育・作業内容変更時教育(安衛法第59条第1項・第2項)と、危険有害業務に就かせる際の特別教育(同条第3項)
  • 健康診断(一般・特殊)の実施義務は事業者にある
比較表
管理ねらい具体例
作業環境管理有害要因を発生源で減らす局所排気装置、有害物質の代替、作業環境測定
作業管理ばく露の受け方・作業方法を変える作業時間の短縮、保護具の使用、姿勢や運搬方法の改善
健康管理人に生じた変化を早期に把握する一般健康診断、特殊健康診断、事後措置、保健指導
総括管理体制と計画で全体を回す衛生管理者・産業医の選任、衛生委員会
労働衛生教育知識と手順を定着させる雇入れ時・作業内容変更時教育、危険有害業務の特別教育
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