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理由で解く 柔道整復師

QJ34P003 衛生学・公衆衛生学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問3
問題
基準人口を人口モデルとして算出される人口統計指標はどれか。
選択肢
1 平均寿命
2 有訴者率
3 総再生産率
4 年齢調整死亡率
解答
正解4(年齢調整死亡率)
解説

共通の基準人口(モデル人口)を当てはめて計算する指標は年齢調整死亡率である。年齢構成の違いという交絡を取り除き、集団どうしを対等に比べるための工夫が基準人口の役割である。

粗死亡率は「死亡数÷人口」で計算するため、高齢者の多い集団ほど高く出る。これでは地域間の比較や年次推移の評価ができない。そこで直接法では、各年齢階級の死亡率をそのまま用いつつ、人口構成だけを共通の基準人口に置き換えて計算し直す。こうして得られるのが年齢調整死亡率で、「もしこの集団が基準人口と同じ年齢構成だったら死亡率はいくつになるか」を表す。日本では2020年(令和2年)以降、基準人口として平成27年モデル人口を用いている(それ以前は昭和60年モデル人口)。基準人口が変われば数値そのものも変わるため、年齢調整死亡率は絶対値として読むのではなく、同じ基準人口で計算した値どうしを比べる指標として扱う。なお、観察集団の年齢別人口に基準集団の死亡率を当てはめる間接法では標準化死亡比(SMR)が得られ、こちらは基準人口ではなく基準死亡率を使う点が対になる。SMRは期待死亡数に対する実際の死亡数の比を100倍した値で、100を基準として大小を読む。

✗ 1. 誤り
平均寿命
生命表から求めた0歳の平均余命である。その年の年齢別死亡率がこの先ずっと続くと仮定して10万人の仮想集団の生存過程を計算するもので、外部の基準人口を当てはめる操作は行わない。
✗ 2. 誤り
有訴者率
国民生活基礎調査で得られる、自覚症状を訴えている者の人口千対の割合。調査対象の年齢構成のまま集計する実測値であり、基準人口による調整は入っていない。
✗ 3. 誤り
総再生産率
1人の女性が一生の間に産む女児の平均数で、年齢別の女児出生率を合計して求める。合計特殊出生率の女児版にあたり、これも基準人口は使わない。女児が母親になるまでの死亡を考慮したものが純再生産率である。
✓ 4. 正しい
年齢調整死亡率
各年齢階級の死亡率を共通の基準人口に当てはめて算出する(直接法)。年齢構成の違いによる見かけ上の差を消せるため、高齢化率の異なる地域どうしの比較や、長期の年次推移の評価に用いられる。日本の基準人口は2020年から平成27年モデル人口。
ポイント
  • 年齢調整死亡率=各年齢階級の死亡率を共通の基準人口に当てはめる(直接法)。年齢構成の差を取り除いて比較できる
  • 日本の基準人口は平成27年モデル人口(2020年から採用。それ以前は昭和60年モデル人口)
  • 粗死亡率は高齢化の進んだ集団ほど高く出るため、地域比較・年次比較には不向き
  • 間接法では標準化死亡比(SMR)を用いる。こちらは基準人口ではなく基準となる死亡率を借りる
  • SMR=実際の死亡数÷期待死亡数×100。100を基準とし、100より大きければ基準集団より死亡が多い
  • 平均寿命=生命表の0歳平均余命、有訴者率=国民生活基礎調査の実測値、総再生産率=年齢別女児出生率の合計。いずれも基準人口は使わない
比較表
指標意味基準人口を使うか主な出典
年齢調整死亡率年齢構成を揃えた死亡率使う(直接法)人口動態統計+モデル人口
平均寿命0歳の平均余命使わない生命表
有訴者率自覚症状のある者の割合(人口千対)使わない国民生活基礎調査
総再生産率女性1人が生涯に産む女児数使わない人口動態統計
標準化死亡比(SMR)期待死亡数に対する実際の死亡数の比(×100、100が基準)基準死亡率を使う(間接法)人口動態統計
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