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理由で解く 柔道整復師

QJ34A128 病理学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問128
問題
胃癌で正しいのはどれか。
選択肢
1 罹患者は女性に多い。
2 年齢調整死亡率は増加している。
3 ヘリコバクター・ピロリ感染が発癌に関与する。
4 肉眼型分類1型は早期胃癌とされる。
解答
正解3(ヘリコバクター・ピロリ感染が発癌に関与する。)
解説

ヘリコバクター・ピロリの持続感染は、胃癌の危険因子として確立しています。正しいのは3です。

ピロリ菌は胃粘膜に住みつき、慢性活動性胃炎 → 萎縮性胃炎 → 腸上皮化生 → 異形成 → 胃癌という長い経過を作ります。国際がん研究機関(IARC)はピロリ菌をヒトに対する発癌因子(グループ1)に分類しており、除菌により胃癌の発生リスクが低下することも示されています。疫学面では、胃癌の罹患・死亡はいずれも男性が女性のおよそ2倍で、年齢調整死亡率は、冷蔵庫の普及による塩蔵食品の減少、食生活の変化、若い世代のピロリ菌感染率の低下、内視鏡による検診の普及などを背景に、第34回の出題時点でも長期にわたって減少を続けています。肉眼型分類では、早期胃癌が0型(表在型)で、その中を0-I 隆起型・0-II 表面型・0-III 陥凹型に細分します。1型から4型はBorrmann分類で、これは進行胃癌の分け方です。

✓ 3. 正しい
ヘリコバクター・ピロリ感染が発癌に関与する。
持続感染による慢性萎縮性胃炎と腸上皮化生を経て発癌に至ります。IARCがグループ1の発癌因子と位置づけており、除菌によるリスク低下も報告されています。
✗ 1. 誤り
罹患者は女性に多い。
胃癌の罹患は男性に多く、女性のおよそ2倍です。喫煙・飲酒・塩分摂取といった生活習慣の性差が関わると考えられています。
✗ 2. 誤り
年齢調整死亡率は増加している。
方向が逆で、胃癌の年齢調整死亡率は長期的に減少しています。塩蔵食品の減少、ピロリ菌感染率の低下、検診と内視鏡治療の普及が背景にあります。
✗ 4. 誤り
肉眼型分類1型は早期胃癌とされる。
1型は進行胃癌のBorrmann分類で、腫瘤型を指します。早期胃癌は0型(表在型)に分類され、0-I 隆起型・0-II 表面型・0-III 陥凹型に細分されます。
ポイント
  • 胃癌の主な危険因子:ヘリコバクター・ピロリ感染、塩分の多い食事、喫煙、萎縮性胃炎
  • 発癌の道筋:慢性胃炎 → 萎縮性胃炎 → 腸上皮化生 → 異形成 → 胃癌
  • 罹患・死亡とも男性が女性の約2倍。年齢調整死亡率は長期的に減少傾向
  • 早期胃癌=深達度が粘膜下層まで(リンパ節転移の有無は問わない)。肉眼型は0型
  • Borrmann 1〜4型は進行胃癌の分類。4型(びまん浸潤型=スキルス)は予後が悪い
比較表
項目早期胃癌進行胃癌
定義深達度が粘膜(M)または粘膜下層(SM)まで。リンパ節転移の有無は問わない固有筋層より深く浸潤したもの
肉眼型0型(表在型):0-I 隆起型/0-II 表面型/0-III 陥凹型Borrmann 1型 腫瘤型/2型 潰瘍限局型/3型 潰瘍浸潤型/4型 びまん浸潤型(スキルス)
主な治療内視鏡的切除が選択できる場合がある外科的切除に化学療法などを組み合わせる
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