学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ34A119

理由で解く 柔道整復師

QJ34A119 病理学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問119
問題
疾患・症状と原因の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 ウィルソン(Wilson)病-鉄過剰
2 ヘモクロマトーシス-銅過剰
3 高血圧-ナトリウム不足
4 テタニ-カルシウム不足
解答
正解4(テタニ-カルシウム不足)
解説

テタニーは血中カルシウムの低下によって神経と筋の興奮性が高まった状態で、組合せとして正しいのは4です。

1と2は、蓄積する金属がちょうど入れ替わっています。ウィルソン病は銅を胆汁へ排泄する輸送蛋白(ATP7B)の先天的な異常により銅が過剰に蓄積する病気で、肝障害、大脳基底核(レンズ核)障害による不随意運動、角膜輪部の緑褐色のカイザー・フライシャー輪が特徴です。ヘモクロマトーシスは鉄が過剰に沈着し、肝硬変・糖尿病・皮膚の色素沈着をきたすため「ブロンズ糖尿病」と呼ばれます。3も方向が逆で、高血圧はナトリウムの過剰摂取が危険因子であり、対策は減塩です。4のテタニーは、低カルシウム血症により手指の攣縮(助産師手位)、口周囲のしびれ、けいれんが起こるもので、トルソー徴候・クボステック徴候で確かめられます。

✓ 4. 正しい
テタニ-カルシウム不足
カルシウムは神経・筋の膜を安定させる働きを持つため、低カルシウム血症では膜が興奮しやすくなり、手足の強直性攣縮を起こします。副甲状腺機能低下症や副甲状腺の術後、過換気症候群(アルカローシスでイオン化カルシウムが低下)で見られます。
✗ 1. 誤り
ウィルソン(Wilson)病-鉄過剰
ウィルソン病で過剰になるのは鉄ではなくです。銅の胆汁排泄障害により肝・脳・角膜に銅が沈着します。
✗ 2. 誤り
ヘモクロマトーシス-銅過剰
ヘモクロマトーシスで過剰になるのは銅ではなくです。肝・膵・心・皮膚に鉄が沈着し、肝硬変、糖尿病、皮膚色素沈着、心筋症を起こします。
✗ 3. 誤り
高血圧-ナトリウム不足
方向が逆で、高血圧に関わるのはナトリウムの過剰摂取です。ナトリウムが増えると循環血液量が増えて血圧が上がるため、減塩が基本的な対策になります。
ポイント
  • ウィルソン病=銅ヘモクロマトーシス=鉄。この2つは入れ替えて出題されやすい定番の引っかけ
  • ウィルソン病の3点セット:肝障害・錐体外路症状・カイザー・フライシャー輪
  • ヘモクロマトーシスの3点セット:肝硬変・糖尿病・皮膚色素沈着(ブロンズ糖尿病)
  • 高血圧はナトリウム過剰。カリウムはむしろ血圧を下げる方向に働く
  • テタニー=低カルシウム血症。助産師手位、トルソー徴候、クボステック徴候を確認する
比較表
疾患・症状関わる元素方向特徴
ウィルソン病過剰蓄積肝障害、錐体外路症状、カイザー・フライシャー輪
ヘモクロマトーシス過剰蓄積肝硬変、糖尿病、皮膚色素沈着
高血圧ナトリウム過剰摂取減塩が対策
テタニーカルシウム不足助産師手位、トルソー徴候、クボステック徴候
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