学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ33A119

理由で解く 柔道整復師

QJ33A119 病理学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問119
問題
萎縮と臓器の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 圧迫性萎縮-肝臓
2 神経性萎縮-副腎
3 無為性萎縮-腎臓
4 内分泌性萎縮-胸腺
解答
正解1(圧迫性萎縮-肝臓)
解説

圧迫性萎縮は、周囲から持続的に押される力で組織が痩せていく変化で、肝臓はその例として挙げられます。他の3つは萎縮の型と臓器の対応がずれています。

萎縮とは、いったん正常の大きさまで発育した細胞や組織が容積を減らす変化をいう(はじめから小さいままの低形成とは区別する)。原因別には、加齢による生理的萎縮(胸腺、性腺)、栄養不足による飢餓性萎縮、使わないことによる無為性(廃用性)萎縮、神経支配が断たれる神経性萎縮、支配ホルモンが減る内分泌性萎縮、血流不足による虚血性萎縮、外から押される圧迫性萎縮に分けられる。整理のコツは「何が失われたから痩せたのか」を一言で言えるようにすること。圧迫なら機械的な力、神経性なら運動神経、内分泌性なら上位ホルモン、無為性なら日常の運動負荷である。この対応関係さえ押さえれば、組合せ問題は確実に取れる。

✓ 1. 正しい
圧迫性萎縮-肝臓
持続的な外力で組織が押しつぶされ、同時に局所の血流も妨げられて実質が痩せる。かつて腹部を強く締めるコルセットを常用した女性にみられた肝の変形(コルセット肝)が古典的な例で、腫瘍や肋骨による圧迫でも起こる。水腎症での腎実質の萎縮、動脈瘤による椎体の萎縮も同じ機序。
✗ 2. 誤り
神経性萎縮-副腎
神経性萎縮は運動神経が障害され、支配下の骨格筋が痩せるもの(除神経萎縮)。末梢神経損傷や脊髄前角細胞の障害で起こる。副腎皮質は神経ではなく下垂体のACTHに支配されるため、萎縮するとすればステロイド長期投与などによる内分泌性萎縮となる。
✗ 3. 誤り
無為性萎縮-腎臓
無為性(廃用性)萎縮は使わないことで起こる萎縮で、長期臥床やギプス固定による骨格筋・骨が代表。腎臓は安静にしていても働き続けるため該当しない。予防には早期離床と、可能な範囲での関節運動・荷重を計画的に進めることが有効。
✗ 4. 誤り
内分泌性萎縮-胸腺
内分泌性萎縮の典型は、下垂体機能低下による甲状腺・副腎皮質・性腺の萎縮。胸腺は思春期に最大となりその後小さくなっていくため、加齢に伴う生理的萎縮の代表として扱われる。
ポイント
  • 萎縮=いったん正常まで発育した組織が縮むこと。はじめから小さい低形成・無形成とは区別する。
  • 圧迫性萎縮:持続的な外力。コルセット肝、水腎症の腎実質、動脈瘤による椎体。
  • 神経性萎縮:運動神経の障害 → 骨格筋。無為性(廃用性)萎縮:不動 → 骨格筋・骨。
  • 内分泌性萎縮:上位ホルモンの低下 → 甲状腺・副腎皮質・性腺。生理的萎縮:加齢 → 胸腺・性腺。
  • 組合せ問題は「原因(何が減ったか)→ その支配を受ける臓器」の一本線で確認すると迷わない。
比較表
萎縮の種類原因代表的な臓器・組織
圧迫性萎縮持続的な機械的圧迫と局所の血流障害肝臓(コルセット肝)、水腎症の腎実質、椎体
神経性萎縮運動神経の遮断・障害骨格筋
無為性(廃用性)萎縮長期臥床・固定による不使用骨格筋、骨
内分泌性萎縮支配ホルモンの分泌低下甲状腺、副腎皮質、性腺
生理的萎縮加齢胸腺、性腺、脳
虚血性萎縮動脈狭窄による慢性的な血流低下腎臓、脳
飢餓性萎縮栄養・カロリー不足脂肪組織、骨格筋、全身臓器
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