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理由で解く 柔道整復師

QJ34A118 病理学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問118
問題
女性に多いのはどれか。
選択肢
1 胆嚢癌
2 胆管癌
3 肝細胞癌
4 肝内胆管癌
解答
正解1(胆嚢癌)
解説

肝胆道系の悪性腫瘍のなかで、女性のほうが多いのは胆嚢癌です。残る3つはいずれも男性に多くなります。

胆嚢癌は胆石や慢性胆嚢炎による長期の刺激を背景に発生することが多く、胆石の保有率が女性に高いこと(いわゆる4F:female・forty・fatty・fertile)と対応して、肝・胆道系の悪性腫瘍のなかでは例外的に女性の患者がやや多くなります。ただしその差は大きくなく、日本の統計では女性がおおむね1.2〜1.5倍程度で、年齢調整罹患率でみると男女差はさらに小さくなります。これに対し肝細胞癌はB型・C型肝炎ウイルス感染、アルコール性肝障害、脂肪性肝疾患などを背景とし、男性が女性の2〜3倍と、こちらははっきりした男性優位です。肝外胆管癌・肝内胆管癌も男性がやや多く、第34回の出題時点でもこの傾向は変わっていません。国試で問われるのは大小の程度ではなく向きなので、「肝・胆道でひとつだけ女性が多いのが胆嚢癌」と、例外としてまとめて覚えるのが効率的です。

✓ 1. 正しい
胆嚢癌
胆石・慢性胆嚢炎を背景とすることが多く、胆石が女性に多いことを反映して患者も女性がやや多くなります。進行するまで症状が乏しく、胆石症の手術標本で偶然見つかることもあります。
✗ 2. 誤り
胆管癌
肝外胆管に発生する癌で、男性にやや多い腫瘍です。胆管の閉塞により、黄疸・灰白色便・皮膚掻痒感といった閉塞性黄疸の症状で見つかることが多くなります。
✗ 3. 誤り
肝細胞癌
肝炎ウイルスの持続感染や肝硬変を母地に発生し、男性が女性の2〜3倍と明らかに男性優位です。飲酒・喫煙習慣の性差も影響していると考えられています。
✗ 4. 誤り
肝内胆管癌
肝臓の中を走る胆管から発生する腺癌で、これも男性にやや多い腫瘍です。肝内結石症などの慢性刺激が危険因子として知られています。
ポイント
  • 肝・胆道系で女性優位は胆嚢癌だけ(女性がやや多い程度の差)。肝細胞癌・肝外胆管癌・肝内胆管癌は男性優位
  • 胆嚢癌の背景は胆石・慢性胆嚢炎。胆石の危険因子は4F(female, forty, fatty, fertile)
  • 肝細胞癌の背景はB型・C型肝炎、肝硬変、アルコール、脂肪性肝疾患。男性が2〜3倍と性差が大きい
  • 胆管癌は閉塞性黄疸(黄疸・灰白色便・掻痒感)で発見されることが多い
  • 他に女性に多い癌として甲状腺癌・乳癌。男性に多いのは肝・食道・胃・肺・膀胱の癌
比較表
腫瘍性差主な背景
胆嚢癌女性 > 男性(やや多い程度)胆石、慢性胆嚢炎
胆管癌(肝外)男性 > 女性膵・胆管合流異常、原発性硬化性胆管炎など
肝内胆管癌男性 > 女性肝内結石症などの慢性刺激
肝細胞癌男性 > 女性(2〜3倍と差が大きい)B型・C型肝炎、肝硬変、アルコール、脂肪性肝疾患
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