学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ34A109

理由で解く 柔道整復師

QJ34A109 運動学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問109
問題
伸張反射で正しいのはどれか。
選択肢
1 単シナプス反射である。
2 反射中枢は延髄にある。
3 逃避反射とも呼ばれる。
4 成長に伴い消失する。
解答
正解1(単シナプス反射である。)
解説

伸張反射は、筋紡錘からのIa群線維が脊髄前角のα運動ニューロンへ直接つながる、ヒトで唯一の単シナプス反射である。

筋が引き伸ばされると、錘内筋線維にある筋紡錘がその伸びを感知し、Ia群求心性線維が後根から脊髄に入って、介在ニューロンを挟まずに同じ筋を支配するα運動ニューロンに興奮性シナプスをつくる。シナプスが1か所しかないため潜時が短く、膝蓋腱反射やアキレス腱反射として腱をたたくだけで確認できる。生理的な意味は筋の長さを一定に保って姿勢を支えることにあり、反射中枢は刺激された筋の分節に対応する脊髄(膝蓋腱反射ならL2〜L4、アキレス腱反射ならS1〜S2)にある。錐体路が障害されて上位からの抑制が外れると腱反射は亢進し、クローヌスが出現するため、腱反射の左右差や亢進・低下は障害部位を推定する手がかりになる。

✓ 1. 正しい
単シナプス反射である。
筋紡錘 → Ia群線維 → 脊髄前角のα運動ニューロン → 同じ筋の収縮、という経路で介在ニューロンを介さない。ヒトで単シナプス反射といえば伸張反射(腱反射)を指す。
✗ 2. 誤り
反射中枢は延髄にある。
反射中枢は刺激された筋に対応する脊髄分節にある。延髄は呼吸・循環・嚥下・嘔吐などの中枢であり、伸張反射の弓には含まれない。
✗ 3. 誤り
逃避反射とも呼ばれる。
逃避反射(屈曲反射)は皮膚への侵害刺激によって起こり、複数の介在ニューロンを経る多シナプス反射で、対側では交叉性伸展反射を伴う。刺激も経路も伸張反射とは別のものである。
✗ 4. 誤り
成長に伴い消失する。
成長とともに消える(統合される)のはモロー反射や把握反射などの原始反射である。伸張反射は生涯保たれ、腱反射として神経学的診察の基本指標に用いられる。
ポイント
  • 伸張反射=筋紡錘 → Ia線維 → α運動ニューロンの単シナプス反射。中枢は該当分節の脊髄。
  • 受容器は筋紡錘(筋の長さと伸張速度を感知)。腱紡錘(ゴルジ腱器官)はIb線維で自原抑制を起こす別系統。
  • 屈曲反射(逃避反射)は侵害刺激による多シナプス反射で、伸張反射とは別物。
  • 腱反射は生涯持続する。消えるのは原始反射(モロー反射、把握反射など)。
  • 錐体路障害では腱反射亢進とクローヌス、末梢神経・後根の障害では腱反射低下〜消失。
比較表
項目伸張反射屈曲反射(逃避反射)
刺激筋の伸張(筋紡錘)皮膚への侵害刺激
求心路Ia群線維Aδ・C線維(屈曲反射求心線維)
シナプス数単シナプス多シナプス(介在ニューロンを介す)
中枢該当分節の脊髄脊髄(複数分節にまたがる)
反応伸ばされた筋そのものが収縮刺激側の屈筋が収縮して肢を引く(対側は伸展)
潜時短い長い
代表膝蓋腱反射、アキレス腱反射熱いものに触れて手を引く反応
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