学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §10 生殖 / QJ34A091

理由で解く 柔道整復師

QJ34A091 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問91
問題
胎盤から分泌されないのはどれか。
選択肢
1 エストロゲン
2 プロゲステロン
3 卵胞刺激ホルモン
4 ヒト絨毛性ゴナドトロピン
解答
正解3(卵胞刺激ホルモン)
解説

胎盤はヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、エストロゲン、プロゲステロンなどを分泌する内分泌器官だが、卵胞刺激ホルモンは下垂体前葉から分泌される。よって卵胞刺激ホルモンが答えとなる。

受精卵が着床すると、絨毛から早期にhCGが分泌され、卵巣の黄体を妊娠黄体として維持する。妊娠黄体はプロゲステロンを分泌して子宮内膜を保ち、妊娠の継続を支える。妊娠10週前後になると胎盤自体が十分量のプロゲステロンとエストロゲンを産生できるようになり、黄体からの供給に頼らなくても妊娠が維持される(胎盤への移行)。胎盤はほかにヒト胎盤性ラクトゲン(hPL)も分泌し、母体の糖・脂質代謝を胎児へ栄養を回す方向に調整する。一方、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)は下垂体前葉のゴナドトロピンで、妊娠中は胎盤由来の高濃度のエストロゲン・プロゲステロンによる負のフィードバックで分泌が抑えられ、新たな卵胞発育と排卵は起こらない。hCGはLHと構造が似ておりLH受容体に作用するが、産生源は胎盤であってFSHとは別物である点を区別しておく。

✓ 3. これが答え(胎盤からは分泌されない)
卵胞刺激ホルモン
FSHは下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンで、胎盤は産生しない。妊娠中は胎盤由来の性ステロイドによる負のフィードバックで、むしろ分泌が抑制される。
✗ 1. 答えではない(胎盤から分泌される)
エストロゲン
妊娠中期以降、胎盤は胎児副腎由来の前駆物質を用いてエストロゲンを大量に産生し、子宮の発育や乳腺の発達に関わる。
✗ 2. 答えではない(胎盤から分泌される)
プロゲステロン
妊娠初期は妊娠黄体が、その後は胎盤がプロゲステロンを分泌し、子宮内膜の維持と子宮筋の収縮抑制によって妊娠の継続を支える。
✗ 4. 答えではない(胎盤から分泌される)
ヒト絨毛性ゴナドトロピン
hCGは着床後に絨毛(のちの胎盤)から分泌され、黄体を妊娠黄体として維持する。尿中に排泄されるため妊娠反応検査の指標として用いられる。
ポイント
  • 胎盤から分泌される主なホルモン:hCG、プロゲステロン、エストロゲン、ヒト胎盤性ラクトゲン(hPL)。
  • FSH・LHは下垂体前葉から分泌され、妊娠中は負のフィードバックで抑制される。
  • hCGは黄体を維持して妊娠を継続させる。妊娠反応検査の指標となる。
  • 妊娠10週前後にプロゲステロンの供給源が黄体から胎盤へ移行する。
  • hCGはLHと似た作用をもつが、産生源は胎盤である点が異なる。
比較表
ホルモン産生部位主な働き
hCG胎盤(絨毛)妊娠黄体の維持、妊娠反応の指標
プロゲステロン黄体 → 胎盤子宮内膜の維持、子宮筋収縮の抑制
エストロゲン卵巣・胎盤子宮の発育、乳腺の発達
hPL胎盤母体の糖・脂質代謝の調整
FSH・LH下垂体前葉卵胞発育・排卵。妊娠中は抑制される
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