学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ34A090

理由で解く 柔道整復師

QJ34A090 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問90
問題
乳汁の産生を促進するのはどれか。
選択肢
1 成長ホルモン
2 プロラクチン
3 性腺刺激ホルモン
4 副腎皮質刺激ホルモン
解答
正解2(プロラクチン)
解説

乳汁を「つくらせる」のは下垂体前葉から出るプロラクチンである。乳汁を「出させる」オキシトシンと役割を分けて覚えるのが要点となる。

妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンが乳腺の発育を促す一方で、乳汁分泌そのものは抑えている。分娩により胎盤が娩出されてこれらのホルモンが急減すると、抑制が外れてプロラクチンの作用が現れ、乳腺腺房での乳汁産生が始まる。授乳期には児の吸啜刺激が乳頭の感覚受容器から視床下部へ伝わり、プロラクチンとオキシトシンの分泌をともに促す。プロラクチンは乳汁の産生を、オキシトシンは乳腺の筋上皮細胞を収縮させて乳汁を乳管へ押し出す射乳を担当する。プロラクチンは視床下部から出るドパミン(プロラクチン抑制因子)によって普段は抑制されており、他の下垂体前葉ホルモンと違って抑制性の調節が主体である点も特徴である。また高プロラクチン血症では排卵が抑制され、授乳中に月経が戻りにくいことにつながる。

✓ 2. 正しい
プロラクチン
下垂体前葉から分泌され、乳腺腺房に作用して乳汁の産生(合成・分泌)を促進する。吸啜刺激で分泌が高まり、授乳を続けるほど産生が維持されるという実際の授乳の経過とも一致する。
✗ 1. 誤り
成長ホルモン
成長ホルモンは肝臓でのIGF-1産生を介して骨・軟部組織の成長を促し、タンパク質同化や脂肪分解、血糖上昇に働く。乳汁産生を直接促すホルモンではない。
✗ 3. 誤り
性腺刺激ホルモン
性腺刺激ホルモン(FSH・LH)は卵胞の発育、排卵、黄体形成と性ステロイドの分泌を促す。むしろ授乳期にはプロラクチンが高値となることでその分泌が抑えられる側にある。
✗ 4. 誤り
副腎皮質刺激ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は副腎皮質束状帯に作用してコルチゾールの分泌を促し、ストレス応答や糖新生に関わる。乳汁産生の主役ではない。
ポイント
  • 乳汁の産生=プロラクチン(下垂体前葉)、射乳=オキシトシン(下垂体後葉)。
  • 妊娠中はエストロゲン・プロゲステロンが乳汁分泌を抑制し、分娩後の急減で分泌が始まる。
  • 吸啜刺激は視床下部を介してプロラクチンとオキシトシンの両方の分泌を促す。
  • プロラクチンは視床下部からのドパミン(PIF)で抑制性に調節される。
  • 高プロラクチン血症は排卵を抑制する(授乳中に月経が戻りにくい理由)。
比較表
ホルモン分泌部位乳汁に対する働き
プロラクチン下垂体前葉乳腺腺房で乳汁を産生させる
オキシトシン下垂体後葉筋上皮細胞を収縮させ乳汁を押し出す(射乳)
エストロゲン卵巣・胎盤乳管の発育を促すが妊娠中は分泌を抑制
プロゲステロン黄体・胎盤腺房の発育を促すが妊娠中は分泌を抑制
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