学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ34A085

理由で解く 柔道整復師

QJ34A085 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問85
問題
知覚を統合し空間認知に関与するのはどれか。
選択肢
1 前頭連合野
2 頭頂連合野
3 側頭連合野
4 後頭連合野
解答
正解2(頭頂連合野)
解説

頭頂連合野は、体性感覚・視覚・聴覚など複数の感覚情報を統合し、自分と物との位置関係をとらえる空間認知に関わる。よって頭頂連合野が正解である。

大脳皮質のうち、一次感覚野・一次運動野以外の広い領域を連合野とよび、前頭・頭頂・側頭・後頭の各葉に分けて機能が対応づけられる。頭頂連合野は一次体性感覚野の後方に位置し、身体各部の位置情報(身体図式)と視覚・聴覚の空間情報をまとめ上げ、「どこに何があるか」「手をどう伸ばせば届くか」を成立させる。この部位、特に右(劣位)半球側が障害されると、反対側の空間を認識できなくなる半側空間無視が生じ、食事を片側だけ残す、片側の身体を無視するといった症状が現れる。また左(優位)半球の頭頂葉下部の障害では、失書・失算・左右失認・手指失認を伴うゲルストマン症候群がみられる。臨床像から機能を逆算すると、各連合野の役割が定着しやすい。

✓ 2. 正しい
頭頂連合野
体性感覚を中心に視覚・聴覚情報を統合し、空間認知と身体図式の形成を担う。障害により半側空間無視やゲルストマン症候群が生じることが、その機能の裏付けとなる。
✗ 1. 誤り
前頭連合野
前頭連合野(前頭前野)は、思考・判断・計画立案・意欲・情動の制御・作業記憶といった高次の実行機能を担う。障害では人格変化や意欲低下、計画実行の困難が前面に出るのであって、空間認知の統合は主たる役割ではない。
✗ 3. 誤り
側頭連合野
側頭連合野は物体や顔の認知、記憶、言語の理解(優位半球の感覚性言語野)に関与する。「何であるか」を判定する系であり、「どこにあるか」を扱う頭頂連合野と対をなすと覚えると区別しやすい。
✗ 4. 誤り
後頭連合野
後頭連合野は一次視覚野の周囲にあり、色・形・動きなど視覚情報の高次処理を行う視覚連合野である。視覚に限られた処理であり、複数感覚を統合する働きではない。
ポイント
  • 頭頂連合野=多感覚の統合と空間認知・身体図式。「どこにあるか」の系。
  • 前頭連合野=思考・判断・計画・意欲・作業記憶(実行機能)。
  • 側頭連合野=物体・顔の認知、記憶、言語理解。「何であるか」の系。
  • 後頭連合野=視覚情報の高次処理(視覚連合野)。
  • 頭頂連合野の障害で半側空間無視やゲルストマン症候群が生じる。
比較表
連合野主な機能障害でみられる代表的症状
前頭連合野思考・判断・計画・意欲・作業記憶人格変化、意欲低下、遂行機能障害
頭頂連合野感覚の統合、空間認知、身体図式半側空間無視、ゲルストマン症候群
側頭連合野物体・顔の認知、記憶、言語理解相貌失認、感覚性失語、記憶障害
後頭連合野視覚情報の高次処理視覚失認、色覚・運動視の障害
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