学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ34A086

理由で解く 柔道整復師

QJ34A086 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問86
問題
膝蓋腱反射に関与しないのはどれか。
選択肢
1 大腿四頭筋
2 筋紡錘
3 Ⅲ群線維
4 α運動ニューロン
解答
正解3(Ⅲ群線維)
解説

膝蓋腱反射は「筋紡錘 → Ⅰa群線維 → α運動ニューロン → 大腿四頭筋」で完結する単シナプス性の伸張反射である。Ⅲ群線維は痛みなどを伝える線維で、この反射弓には含まれない。

膝蓋靱帯(膝蓋腱)を打腱器で叩くと、大腿四頭筋が瞬間的に引き伸ばされる。この伸張を感知するのが筋腹内にある筋紡錘の一次終末で、興奮はⅠa群求心性線維を通って脊髄(およそL2〜L4)に入る。ここで介在ニューロンを挟まず、同じ筋を支配するα運動ニューロンと直接シナプスするため潜時がきわめて短く、単シナプス反射と呼ばれる。α運動ニューロンの興奮が大腿四頭筋を収縮させ、下腿が前方に振れる。筋から脊髄へ向かう求心性線維は太さで群分類され、Ⅰa群は筋紡錘一次終末、Ⅰb群は腱器官、Ⅱ群は筋紡錘二次終末、Ⅲ群(Aδ)・Ⅳ群(C)は自由神経終末につながって深部痛・圧・温度を伝える。したがってⅢ群線維は感覚を伝えはするが、伸張反射の求心路ではない。臨床でも、反射弓の5要素(受容器・求心路・中枢・遠心路・効果器)のどこが障害されても反射は減弱するため、深部腱反射は病巣を絞り込む手がかりとして評価する。

✓ 3. 関与しない(これが正答)
Ⅲ群線維
Ⅲ群線維(Aδ線維)は自由神経終末につながり、筋の深部痛・圧覚・温度感覚などを伝える。伸張の情報を運ぶのはⅠa群線維であり、膝蓋腱反射の反射弓には入らない。
✗ 1. 関与する(答えではない)
大腿四頭筋
筋紡錘を内蔵する受容器側であると同時に、収縮して下腿を蹴り出す効果器でもある。反射弓の出発点であり終着点。
✗ 2. 関与する(答えではない)
筋紡錘
筋の長さと伸張速度を感知する受容器。腱を叩いて生じた急な伸張をとらえ、Ⅰa群線維を介して脊髄へ信号を送る反射の起点である。
✗ 4. 関与する(答えではない)
α運動ニューロン
脊髄前角にあり、Ⅰa群線維から直接シナプス入力を受けて興奮する遠心路。骨格筋線維を収縮させ、反射の出力を担う。
ポイント
  • 膝蓋腱反射の反射弓:筋紡錘(受容器)→ Ⅰa群線維(求心路)→ 脊髄L2〜L4(中枢)→ α運動ニューロン(遠心路)→ 大腿四頭筋(効果器)。
  • 介在ニューロンを挟まない単シナプス反射なので潜時が短い。屈曲反射などの多シナプス反射と区別する。
  • 求心性線維の対応を丸ごと覚える:Ⅰa=筋紡錘一次終末、Ⅰb=腱器官(ゴルジ腱器官)、Ⅱ=筋紡錘二次終末、Ⅲ・Ⅳ=痛覚・圧・温度。
  • 「関与しないのはどれか」型は、反射弓の5要素に選択肢を当てはめ、どこにも入らない1つを残す手順で解く。
  • 反射が減弱していれば反射弓のいずれかの障害を、亢進していれば上位運動ニューロン障害を念頭に置き、所見を記録して医師の診察につなげる。
比較表
対応する線維受容器伝える情報膝蓋腱反射
Ⅰa群筋紡錘 一次終末筋の長さと伸張速度関与する(求心路)
Ⅰb群腱器官筋の張力関与しない(Ⅰb抑制を担う)
Ⅱ群筋紡錘 二次終末筋の長さ(静的)主役ではない
Ⅲ群自由神経終末深部痛・圧・温度関与しない
Ⅳ群C自由神経終末鈍い痛み・化学刺激関与しない
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