学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ34A079

理由で解く 柔道整復師

QJ34A079 解剖学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問79
問題
動脈で拍動を触れないのはどれか。
選択肢
1 椎骨動脈
2 腋窩動脈
3 大腿動脈
4 足背動脈
解答
正解1(椎骨動脈)
解説

設問は「拍動を触れない」動脈を選ぶ問題。椎骨動脈は頸椎の横突孔という骨のトンネルの中を上行するため、体表から触知できない。

動脈の拍動を触れるための条件は、体表に近いこと、そして下に骨など押しつけられる硬い土台があることの2つである。椎骨動脈は鎖骨下動脈の第1部から起こり、第6頸椎から第1頸椎までの横突孔を貫いて上行し、環椎の後弓上面を回って大後頭孔から頭蓋内に入り、左右が合流して脳底動脈となる。走行のほぼ全長が骨と深部の筋に覆われているため、指を当てても拍動をとらえられない。残りの3つはいずれも日常の評価で用いられる触知部位である。とくに足背動脈と後脛骨動脈は下肢の血行を確かめる基本の部位で、下腿・足部の外傷や固定を扱う場面では、施術の前後に左右差を含めて確認する習慣をつけておきたい。

✓ 1. これが答え(拍動を触れない)
椎骨動脈
鎖骨下動脈から起こり第6〜第1頸椎の横突孔を上行する。骨のトンネルと深部の筋に囲まれているため体表から拍動は触知できない。
✗ 2. 触れる(設問に該当しない)
腋窩動脈
上肢を外転させ、腋窩の外側壁で上腕骨頭に向けて押しつけると拍動を触れる。鎖骨下動脈が第1肋骨外縁を越えて名を変えた部分である。
✗ 3. 触れる(設問に該当しない)
大腿動脈
鼠径靱帯中央のやや内側、大腿三角の底で明瞭に触れる。外側から大腿神経・大腿動脈・大腿静脈の順に並ぶ配列も合わせて押さえたい。
✗ 4. 触れる(設問に該当しない)
足背動脈
足背で長母指伸筋腱のすぐ外側、第1・第2中足骨の間で触れる。前脛骨動脈が足関節前面を越えて名を変えたもので、末梢循環の確認に用いる。
ポイント
  • 拍動を触れる条件は「体表に近い」+「下に押しつけられる硬い土台がある」。
  • 椎骨動脈は頸椎の横突孔(C6→C1)を通るため触知できない。同じ理由で骨や深部に隠れた動脈は触れない。
  • 主な触知部位:浅側頭動脈(耳介前方)、総頸動脈(甲状軟骨外側)、腋窩動脈、上腕動脈(肘窩・上腕二頭筋腱の内側)、橈骨動脈(手関節橈側)。
  • 下肢は大腿動脈(鼠径靱帯中央やや内側)、膝窩動脈、後脛骨動脈(内果後方)、足背動脈。
  • 四肢の外傷や固定の前後には、末梢動脈の拍動を左右で比較して循環障害の有無を確認する。
比較表
動脈触知部位触知
浅側頭動脈耳介の前方
総頸動脈甲状軟骨の外側
腋窩動脈腋窩の外側壁(上腕骨頭)
上腕動脈肘窩・上腕二頭筋腱の内側
橈骨動脈手関節の橈側
大腿動脈鼠径靱帯中央のやや内側
後脛骨動脈内果の後方
足背動脈長母指伸筋腱の外側
椎骨動脈頸椎の横突孔内(骨に囲まれる)不可
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