学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ34A073

理由で解く 柔道整復師

QJ34A073 解剖学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問73
問題
中脳の背側面から出るのはどれか。
選択肢
1 動眼神経
2 滑車神経
3 三叉神経
4 外転神経
解答
正解2(滑車神経)
解説

脳幹の背側面から出る脳神経は滑車神経だけである。中脳の下丘の直下から出る。

脳神経は原則として脳幹の腹側面か外側面から出る。その中で滑車神経(第IV脳神経)だけが例外で、中脳の背側にある下丘のすぐ下から出てくる。しかも上髄帆の中で左右の線維が完全に交叉するため、右の滑車神経核から出た線維は左の上斜筋を支配する。完全交叉して背側から出る脳神経はこれだけであり、加えて最も細く、頭蓋内の走行が最も長いという特徴も持つ。出る場所を問われたら、まず「中脳=動眼(腹側)と滑車(背側)」「橋=三叉(外側)」「橋と延髄の境=外転・顔面・内耳」という3段構えで思い出すと整理しやすい。

✓ 2. 正しい
滑車神経
中脳背側面、下丘の直下から出る唯一の背側出の脳神経。上髄帆で完全交叉して対側の上斜筋を支配する。最も細い脳神経でもある。
✗ 1. 誤り
動眼神経
同じ中脳から出るが、出るのは腹側面の脚間窩(大脳脚の間)である。上眼瞼挙筋と上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋、および瞳孔括約筋・毛様体筋(副交感)を支配する。「中脳から出る」だけで飛びつかず、腹側か背側かまで確認したい。
✗ 3. 誤り
三叉神経
橋の外側面、中小脳脚への移行部から太い感覚根と細い運動根として出る。脳神経中で最も太く、中脳ではない。
✗ 4. 誤り
外転神経
橋と延髄の境(延髄橋溝)の内側寄り、錐体の上端付近から出る。外側直筋を支配する。中脳背側とは高さも面も異なる。
ポイント
  • 滑車神経は「唯一づくし」。唯一の背側出、唯一の完全交叉、最も細い、頭蓋内走行が最も長い。
  • 中脳から出るのは動眼(腹側・脚間窩)と滑車(背側・下丘の下)の2本。
  • 橋からは三叉神経(外側面)。橋と延髄の境からは外転・顔面・内耳神経。
  • 延髄からは舌咽・迷走・副・舌下神経。舌下神経は前外側溝、他は後外側溝から出る。
  • 滑車神経麻痺では上斜筋が働かず、階段を下りるときの複視や代償性の頭部傾斜がみられる。
比較表
脳神経出る高さ出る面
III 動眼神経中脳腹側面(脚間窩)
IV 滑車神経中脳背側面(下丘の下)
V 三叉神経外側面(中小脳脚移行部)
VI 外転神経橋・延髄境腹側面の内側寄り
VII 顔面神経/VIII 内耳神経橋・延髄境外側(小脳橋角)
IX・X・XI延髄後外側溝
XII 舌下神経延髄前外側溝
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