学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ33P110

理由で解く 柔道整復師

QJ33P110 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問110
問題
10歳の女児。立ち幅跳びの着地で膝関節を屈曲した際に受傷した。直後の外観写真(別冊 No.6)を別に示す。誤っているのはどれか。
図
選択肢
1 外側膝蓋支帯の断裂を伴う。
2 後療法は内側広筋の強化を行う。
3 皮下出血は膝蓋骨内側を中心に発生する。
4 膝関節のアライメント異常は危険因子となる。
解答
正解1(外側膝蓋支帯の断裂を伴う。)
解説

膝を屈曲した着地で膝蓋骨は外側へ脱臼し、破れるのは内側の支持組織である。誤りを選ぶ設問であり、答えは1である。

大腿四頭筋が強く働いている状態で膝が屈曲・外反し下腿が外旋を強制されると、膝蓋骨は外側へ引き出される。このとき膝蓋骨を内側につなぎ止めている内側膝蓋支帯・内側膝蓋大腿靱帯が断裂し、膝蓋骨内側縁に圧痛と皮下出血が生じる。外側の支帯は引き伸ばされる側ではなく、むしろ短縮・拘縮して膝蓋骨を外側へ引く再脱臼の一因となる。10代前半の女児は素因が重なりやすく好発する年代である。後療法は内側広筋(特に斜走線維)の強化、外側支持組織の柔軟性確保、装具による再脱臼予防を組み合わせて進める。

✓ 1. これが答え(誤っている)
外側膝蓋支帯の断裂を伴う。
膝蓋骨が外側へ移動するため、引き伸ばされて断裂するのは内側膝蓋支帯・内側膝蓋大腿靱帯である。外側支帯は緊張せず、むしろ短縮・拘縮して再脱臼の因子となるため、後療法では柔軟性の確保を図る。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
後療法は内側広筋の強化を行う。
内側広筋の斜走線維は膝蓋骨を内側上方に引き、外側偏位を抑える働きをもつ。強化は再脱臼予防の柱になる。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
皮下出血は膝蓋骨内側を中心に発生する。
内側膝蓋支帯・内側膝蓋大腿靱帯の断裂部に一致して、膝蓋骨内側縁を中心に皮下出血と圧痛が出る。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
膝関節のアライメント異常は危険因子となる。
Q角の増大、外反膝、膝蓋骨高位、大腿骨滑車の形成不全、全身関節弛緩などが素因となり、若年女性に好発する背景となる。
ポイント
  • 膝蓋骨脱臼は外側へ脱臼するのが原則。断裂するのは内側膝蓋支帯・内側膝蓋大腿靱帯。
  • 圧痛と皮下出血は膝蓋骨内側縁に一致して出る。
  • 外側支帯は断裂せず、短縮・拘縮して再脱臼の一因となる。
  • 危険因子はQ角増大、外反膝、膝蓋骨高位、大腿骨滑車形成不全、全身関節弛緩。
  • 後療法は内側広筋斜走線維の強化+外側支持組織の柔軟性確保+装具による再脱臼予防。
比較表
部位膝蓋骨外側脱臼で起こること対応
内側膝蓋支帯・内側膝蓋大腿靱帯伸張・断裂(圧痛、皮下出血)固定して修復を待つ
外側膝蓋支帯断裂しない。短縮・拘縮しやすい柔軟性の確保
内側広筋(斜走線維)筋力低下により外側偏位が助長される選択的な強化
アライメントQ角増大・外反膝・膝蓋骨高位が素因装具・フォーム指導で再脱臼予防
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